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フェアウッド建築セミナー 2005を開催しました!

2006.3.4

フェアウッド・キャンペーンでは、フェアウッド建築セミナー2005を、大阪、名古屋、東京の3会場で開催しました。

今回のセミナーでは、木材の主要な直接的な利用者である建築家、ハウスメーカー、地域ビルダー、工務店など住宅建築業に携わる方々を対象として、木材の製品や樹種ごとの産地に関する環境情報をお伝えすることで、木材の生産履歴を確認することの意義や方法について考えました。

そもそも施主である私たち末端の消費者が環境意識を高め、住宅建築で使用する木材に伴う環境負荷を懸念し、各部位に使用する木材を指定できることが理想なのですが、その実現には木材に関する業界知識に始まり、構造、流通、森林など多くの知識を必要とするため、非常に困難です。

そのため本セミナーは、直接的に木材取扱いに従事し、すでに豊富な知識を備え、施主への多大なる影響力を有する住宅建築業に携わる方々に、裾野に広がる一般消費者層の環境意識向上の指南役となっていただくことも目的の一つでした。

フェアウッド・キャンペーン事務局からは国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー)森林プログラムの中澤健一が「建築用の主な樹種/製品の木材生産地における森林環境」と題し、世界各地から輸入される木材、特に今回は北洋材、北米材の産地の森林について現地での調査結果を報告し、また環境に配慮した木材の調達方法などについて紹介しました。

大阪会場では、建築家の取組み事例としてMs建築設計事務所の三澤康彦氏から、ウッドマイレージの事例を中心に、近くの森から産出される木材の利用推進について紹介いただきました。「建築後5年足らずで土台の防腐処理に経費を費やすのであれば、最初から防腐防蟻効果の高い木材を選べばよい」など、安価な住宅建築で見落としがちな最低限必要な経費の視点など、具体的なポイントの指摘もありました。

住宅メーカーの取組み事例として(株)中島工務店の中島紀干氏からは、OMソーラーの技術を利用した健康住宅への取組みや、「家づくりは地域づくり」との思いから、同社の地元である岐阜県加子母村の地域材をふんだんに利用した、いわば地場産業活性を兼ねた地域材振興に取組んでいる様子を紹介いただきました。

  名古屋会場では、(株)KJワークスの福井綱吉氏から建築屋、兼家具屋というユニークな視点、および暮らしを楽しむ生活者の立場を重視した生産履歴の確かな木材と産地選びについて、様々な国産樹種の実用例や、国産材の可能性について紹介いただきました。

また、阿部建設(株)の阿部一雄氏は、ご自身の足で集めた情報を基に、国産材導入のポイント、その課題点、および解決案の提案といった、より実践的な取組みについての紹介、統計的分析データを用いた市場の動向から業界もマーケットニーズに敏感であるべきとの指摘、そして最後に工務店、建築家などのより積極的な山側への訪問や情報交換が必要である、とのメッセージで締めくくりました。

東京会場では、まず国産材の積極的な活用を始めた住友林業(株)住宅本部資材物流部木材調達グループグループマネージャーの鶴澤靖彦さんに「大手ハウスメーカーの木材調達の取組み事例」ということで、大手住宅メーカーが求める量と質を満たす国産材をどのように確保しているのかお話しいただきました。

次に、菊池建設株式会社代表取締役の中尾由一さんに、住宅建築会社1号として「SGEC森林認証の国産材を使う家」を提供する菊池建設の取り組みを「住宅ビルダーの木材調達の取組み事例」ということで宮大工だった創設者・菊池安治氏から受け継がれている木へのこだわりを支える、認証材を使った新しい家造りの取り組みを紹介いただきました。

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