第1回フェアウッド調達研究会 開催報告
2006.3.4
2007年7月5日午後2時~午後5時、表参道環境パートナーシップオフィス(EPO)にて「フェアウッド調達研究会」の第1回目(全4回実施予定)を開催しました。
第1回研究会(7月5日 木曜日) 開催日・テーマ
ロシア・中国の林業政策、木材貿易、加工産業の最新動向
〔プログラム〕
(1) ロシア材調達リスクについて
〔FoE Japan ロシアタイガプログラム 佐々木勝教〕
(2) 中・ロ国境付近の木材流通の現状について
〔神奈川県自然環境保全センター研究部専門研究員 山根 正伸 氏〕
(3) ディスカッション
今回のテーマはロシア・中国の林業政策、木材貿易、加工産業の最新動向ということで、フェアウッド事務局より佐々木勝教(FoE Japan)から「ロシア主要木材産地最新情報と違法リスク回避の展望」、神奈川県自然環境保全センターより山根正伸氏からは「中国の国内事情と対ロシア木材貿易の現状」という題でご報告をいただきました。
佐々木勝教は、アカマツ、カラマツ、広葉高級樹種のロシア主要3素材別の現状報告、ビデオによる違法木材流通の実態を紹介した上で、政策レベル、政府管理レベルにおける違法伐採リスクを分析しました。 森林法典の抜本的な改正により、政策的に森林の保全よりも、木材生産経営が強化されることになった事、それによって、伐採証明書が撤廃され、申請書システムへ移行しており、政府レベルで木材の合法性を証明する基盤が無くなってしまう事など、ロシア材合法性証明の弱体化が明らかになり、会場に大きな波紋が生じました。
当面の対策として、行政レベルでの連邦-地方政府との連携と変革プロセスの把握、企業同士でのサプライチェーン情報の透明性と信頼性を高める継続的な協力とともに、個別企業レベルだけでは解決困難な問題に対して行政や市民・NGOも含めた連携強化などが提案されました。
山根正伸さんは中国の森林資源開発の変遷、天然林保護プロジェクトの背景要因を明らかにした上で、その結果増大し続けているロシア産原木輸入の現状を主要ルートごとに報告。 中国製品のグリーン調達対応の課題として、現地での環境変化への対応状況、原料遡及可能性について考察を述べられ、特に現地に対し、日本の木材調達サイドの変化や状態を十分に説明していく必要があると主張されました。
両報告後のディスカッションでは、会場から現場での最新の所感や対応の状況、将来予測、動向など情報交換や質疑応答がなされました。
次回のフェアウッド調達研究会は「インドネシア、マレーシアの林業政策、木材貿易、加工産業の最新動向」と題し、南洋材をテーマに8月2日に開催いたします。