原産地はインド、ミャンマーで、古くから有用樹種として注目され、アジア各国において造林されてきたため、タイ、インドシナ、ジャワなど多く分布している。この地域に分布する熱帯林の豊かな生物多様性と、その価値は世界が認めるものであり、WWFの「グローバル200」、ユネスコの「生物圏保護区」、CIの「生物多様性ホットスポット」に指定されている保護価値の高い地域である。WRIの「Intact
Forest」にも未開拓の森林が残っている地域として示されている。しかしながら、現在市場を流通するチークには、天然林から生産されたものと、人工林から生産されたものがあり、生産地の環境負荷を考慮する際は、区別して考える必要がある。
高級樹種として知られるチークは、造林適木としてその分布域を広げているものの、一方で天然木伐採も依然続いている。IUCNの「レッドリスト」ではフィリピン固有種のTectona
philippinensisが「絶滅危機(EN B1+2abc)」と評価され、天然木の希少性が危惧されている。
違法伐採のリスクについては、各生産国の森林管理行政の状況によって差はあるが、様々なアクターによる癒着、汚職により、森林管理行政が阻害されているインドネシア、ミャンマーなどでは、そのリスクは限りなく高い。
東京までの輸送距離は直線距離で6,000kmを超え、近年は中国を経由した加工貿易が盛んなこともあり、それ以上と考えられる。耐朽性は「極大」。家具材、デッキ材、建具、船体など様々な用途に利用される。
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