ボルネオ島(インドネシア、マレーシア)、および周辺の島々に分布する。この地域に分布する熱帯林については、その豊かな生物多様性と価値は世界が認めるものであり、WWFの「グローバル200」、ユネスコの「生物圏保護区」、CIの「生物多様性ホットスポット」に指定されている保護価値の高い森林地域である。WRIの「Intact
Forest」にも未開拓の森林が残っている地域として示されている。この樹種は天然林から生産されるものであり、合法・違法を問わず、択伐とはいえ大規模に天然林施業が行われており、その生態系への影響は少なくない。
伝統的に地域住民に利用されてきた樹種。超重硬で優れた耐久性を持つが、反面、成長は著しく遅く、また造林にあまり適さないため更新には適切な管理が必要である。IUCNの「レッドリスト」では、「危急(VU
A1cd+2cd)」と評価され、その急激な分布域の減少等が危惧されている。有数の熱帯木材生産地であるインドネシア、マレーシアにおいて、違法伐採・貿易問題の根は深く、様々なアクターによる癒着、汚職により、森林管理行政が阻害されているため、そのリスクは限りなく高い。特に高級樹種として扱われているウリンの生産・流通には、地域住民も関与するケースが多く、生産・流通経路が極めて不透明な事例が多い。
東京までの輸送距離は直線距離で6,000kmを超え、近年は中国を経由した加工貿易が盛んなこともあり、それ以上とも考えられる。耐朽性は「極大」で、長期間の使用に耐え、特に耐水性に優れている。伝統的利用においては、屋根材、構造材、および水回りに用いられている。外部造作、ウッドデッキ材として注目されている。
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