全体に淡い黄白色〜淡い黄褐色を帯びており、辺心材の境目は不明瞭。木理は交錯、肌目もやや粗いが、リボン杢が現れる。乾燥・加工性は良好だが、シリカ(ケイ酸塩)を含むので製材時には注意が必要。耐朽性は小〜中程度
広く東南アジアに分布するフタバガキ科の代表的な有用樹種である。この地域に分布する熱帯林の豊かな生物多様性と、その価値は世界が認めるものであり、WWFの「グローバル200」、ユネスコの「生物圏保護区」、CIの「生物多様性ホットスポット」」に指定されている保護価値の高い地域である。WRIの「Intact Forest」にも未開拓の森林が残っている地域として示されている。この樹種は天然林から生産されるものであり、合法・違法を問わず、択伐とはいえ大規模に天然林施業が行われており、その生態系への影響は少なくない。 この樹種は南洋材の中で最も取引されている樹種であり、この名称で呼ばれる樹種は約30種とも言われている。近年、日本に丸太で輸入されるものはマレーシア、サバ州産が主流なため、「メラピ」とも呼ばれる。日本市場にとって重要な熱帯樹種の一つであり、熱帯林の減少・劣化は、この樹種の取引に直結するものである。IUCNの「レッドリスト」でも、「絶滅寸前(CR)」や「絶滅危機(EN)」と評価されている種が多く、その希少性が危惧されている。 有数の熱帯木材生産地であるインドネシア、マレーシアにおいて、違法伐採・貿易問題の根は深く、様々なアクターによる癒着、汚職により、森林管理行政が阻害されているため、そのリスクは限りなく高い。 東京までの輸送距離は直線距離で6,000kmを超え、近年は中国を経由した加工貿易が盛んなこともあり、それ以上と考えられる。 耐朽性は「小」。主に合板用に加工されるほか、造作材や床材としても用いられる。
インドネシア産の場合
マレーシア産の場合