連続セミナー生物多様性保全に役立つ「合法木材」調達報告
第三回「木材利用におけるリスクとフェアウッド導入のメリット」
2012.2.13掲載
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木材調達におけるリスクを少なくし、生物多様性保全にも役立つフェアウッド調達の基本的な考え方と実際の進め方をご紹介します。フェアウッド・パートナーズとの協働でフェアウッド調達に取り組まれている企業のご担当者から、なぜフェアウッド調達に取り組まれているのか、実践してみた上でのメリットや課題などをお話しいただきます。
第三回「木材利用におけるリスクとフェアウッド導入のメリット」
日時:2012年1月25日(水) 14:00-17:00
場所: 港区立エコプラザ(港区浜松町1-13-1
/地図はこちら)
アクセス:JR浜松町駅北口 下車4分/都営地下鉄大門駅B1出口 下車3分
共催(第3回のみ):「生物多様性と子どもの森」キャンペーン実行委員会、港区
【資料ダウンロード】
プログラム・講演者経歴等
1.フェアウッドの仕組みと各種活動(PDF0.4MB)
(坂本有希/フェアウッド・パートナーズ)
2.フェアウッド調達の意義とステップ(PDF2.88M)
(中澤健一/フェアウッド・パートナーズ)
3.ワイス・ワイス 合法木材、国産木材への取り組み(PDF1.72MB)
(佐藤 岳利/株式会社 ワイス・ワイス 代表取締役)
4.港区の取り組み(PDF0.9MB)
(吉野 亜文/港区環境課 温暖化対策担当課長)
5.質疑応答&ディスカッション
【報告】
生物多様性関連のイベントを含め、一般の方々に親しみやすい環境関連の取り組みを数多く実施されている港区共催の下、フェアウッド・パートナーズ主催の連続セミナー「生物多様性保全に役立つ合法木材調達」の第三回が1月25日に東京・港区立エコプラザにて開催されました。
本連続セミナー第一回では、海外の木材生産国としての中国の現状、および違法伐採対策の最新情報を、第二回では、国産材の供給可能性と利用の展望についての講演をもとに、参加者間でディスカッションを行なう形態をとってきました。最終回となった第三回目は、「木材利用におけるリスクとフェアウッド調達導入の意義」と題し、生態系サービスとしての木材を持続的に利用し続けるために必要と思われる、環境・社会配慮型の木材調達法のひとつとしてのフェアウッド調達について、実際に取り組みを行なわれている企業のご講演を交えてご紹介いたしました。また今回は、会場であるエコプラザを始め、区全体での環境配慮を実現されている港区さんの「みなとモデル」を中心に、木材利用の展望についてもご説明いただきました。
(1)フェアウッドの仕組みと各種活動
冒頭のイントロダクションでは、フェアウッド・パートナーズの坂本有希より、企業の木材調達方針および各種ガイドライン策定のサポートや環境に配慮した木質製品の普及を目的とした広報活動を行なうフェアウッド・パートナーズの活動の概要が説明されました。
(2)フェアウッド調達の意義とステップ
前段の説明を受け、実際に企業の木材調達方針の策定に尽力しているフェアウッド・パートナーズの中澤健一より、フェアウッド調達を行なう意義と、これを段階的に押し進めるステップが紹介されました。住宅における木材利用を中心としながら、木材需給の70%以上を占める外国材利用に際した生産国の環境・社会へのインパクト、生態系サービスを持続的に利用し続けることを考えた場合の各種リスクが提示され、それらを取り除くための段階的な解決法が示されました。
(3)国内企業等のフェアウッド調達の実践例
合法木材を始めとしたフェアウッドの調達は、遡及性に関係した書類確認などの手間やコストがかかるプロセスです。この度、ご講演いただいた株式会社 ワイス・ワイスの佐藤岳利様からは、市場が縮小し低価格化と海外生産が主流となっているとされる家具業界において、「グリーンプロジェクト」を立ち上げた経緯、および遡及性が確保された外材の調達のみならず、全国レベルでの積極的な国産材利用の事例が紹介されました。部材の多さから、合法性の確認が困難と言われる家具業界ですが、自社内での体制づくりから方針、スケジュールの策定までを徹底して行い、「地球環境や子どもたちのことを考えたものづくり」という言葉のもと、多様な業種との連携を通じた先進的な企業活動を行なわれている様子が参加者の方々へと伝わる内容となりました。
(4)みなとモデル二酸化炭素固定認証制度の概要
今回、共催していただいた港区からは、地球温暖化対策担当の吉野亜文様にご登壇いただき、「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度の概要」についてご紹介いただきました。同区は、2007年から開始した、あきる野市での森林整備や環境学習を背景に、全国各地の森林資源を持つ自治体との交流を開始、2011年には「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」を策定し、間伐材を始めとした国産材の活用促進にも尽力しています。協定自治体の中には、FoE Japanがプロジェクトを実施する宮崎県の諸塚村もあり、本セミナーの講演者であるワイス・ワイス社は同制度における登録事業体であることから、国内の木材利用の現場における「環境」をキーワードとした産官民連携の好事例を、本セミナーを通じてご紹介することができたかもしれません。
今回で3回の連続セミナーは終了です。また2012年度は別のかたちでの連続セミナーを検討していますので、案内をお待ちください。
【主催・問い合わせ先】
フェアウッド・パートナーズ
国際環境NGO FoE Japan、地球・人間環境フォーラム
TEL:03-6907-7217 / FAX:03-6907-7219(FoE Japan 佐々木)
E メールアドレス:info@fairwood.jp
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