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フェアウッド世界のニュース 第48号 2008年5月30日

7月のG8洞爺湖サミットにむけ、G8環境大臣会合が開催され、議長総括およびG8の合意文書である 「生物多様性のための神戸・行動の呼びかけ」 に違法伐採に関する議論が盛り込まれました。



2008/05/26 環境省:G8森林専門家による違法伐採報告書について
環境省、外務省、林野庁を含むG8各国の森林専門家は、1998年のバーミンガム・サミット以降、G8がとり上げてきた違法伐採問題に関する報告書をとりまとめ、神戸において開催されていたG8環境大臣会合に提出した。会合において、本報告書は大臣らに歓迎され、北海道洞爺湖サミットの議長へ送付することが合意された。本報告書では、違法伐採及び関連取引に対処すべく過去10年間にわたってG8がとった措置の実例を示すとともに、北海道洞爺湖サミットを見据え、今後G8が取り組むべき課題につき検討している。
詳細はこちら
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9753


2008/05/25 Bangkok Post:タイ政府によるローズウッド(紫檀)売買禁止の取組み、見通し立たず
23日まで3日間行われたタイのチョンブリーで開催されたASEAN専門家会合会議で、タイ政府はローズウッドなど絶滅の危惧される種のCITES付属書への掲載を提案したが、ローズウッドの輸出国として知られるラオス、カンボジアなどの反対を受けた。ラオスとカンボジアを含むローズウッドを豊富に有する国々の代表はこの提案が彼らの国の木材輸出業者に重大な影響を及ぼす事になると意見を述べた。
ローズウッドはタイの法律では保護されており、木材売買も禁止されている。しかし、現在その違法取引は増加の一途を辿っており、主に日本と中国の根強い需要によって支えられていると報告されている。
原文はこちら
http://newsgroups.derkeiler.com/Archive/Soc/soc.culture.laos/2008-05/msg00210.html


2008/04/17 ドイッチェ・ベレ・ワールド:EUが頭を抱える違法伐採問題
依然、急速に減少・劣化する熱帯雨林。EUは違法伐採された木材を輸入する事で一部責任を負っているが、EU本部はこの問題に対しどう計画しているのだろうか?
この問題を指摘すべく、去る4月14日、環境NGOグリーンピースは在独ブラジル大使館の前で熱帯雨林の過剰開発に対するデモを行った。グリーンピースによると、最近の調査では毎分5ヘクタールの割合でブラジルの森林破壊が進んでおり、1ヘクタール当り500~1,000トンものCO2が排出されているという。これら森林破壊の際に発生するCO2は、温室効果ガス全体の20%もの割合を占める計算だ。
EUがこれら天然資源の最大の輸入国である事を踏まえ、環境団体はEU各国に熱帯雨林保全に関する法規制の導入を要請している。スイス、英国、アメリカは、木材貿易に関する法規制の導入の検討に入っている。一方、EUではマレーシアやインドネシアなどの生産国との二国間自主協定の交渉を進めており、ディマス環境担当欧州委員会委員はこの5月にさらなる違法伐採対策について提案を行うとしている。
グリーンピースのコリーナ・ヘルツェル氏は「ヨーロッパ各国政府は適法な木材、持続可能な森林の木材のみの輸入を確実に保証すべきである」とコメントした。
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http://www.dw-world.de/dw/article/0,2144,3273972,00.html


2008/04/2 木材トレードジャーナルUK:違法伐採材取引に重い罰則を
森林問題に関する英国首相特使のバリー・ガーディナーが保守党及び自由民主党議員の支持を得て議員立法法案として下院に提出した法案によると、英国で違法伐採の木材取引を故意に行った者は最高5年の禁固刑、および10万ポンドの罰金刑となる。原産国からの違法売却、移動、加工、第三国経由で違法輸出されたものも含め、違法伐採材の取引は違法行為とする。この法案では、輸入業者が知らずに違法伐採材を輸入したような場合にも1万ポンドの罰金を課すこととなる。悪徳業者と不公平な環境で競争しなくてはならない英国企業や労働者をこの法案は保護するとがーディナー議員は主張している。
原文はこちら
http://www.ttjonline.com/story.asp?sectioncode=193&storycode=54710&c=3


2008/03/28 ERINA-北東アジアウォッチ:未加工木材の通関地点の数が減らされた
3月12日、ロシア連邦関税局令No.1327「特定の物品の申告地について」が発効した。経済発展貿易省のアンドレイ・ベロウソフ第一次官によれば、連邦関税局のシステムにはこれまで、688カ所の原料木材の通関ポイントがあったが、この命令書は未加工木材の通関と監督を行う権限を持つ税関署を128カ所としている。同文書によると、燃料用木材、おが屑、木屑、割り木、荒削りの材木、杭、柱、枕木、縦に「挽いた」あるいは「割った」材木が未加工木材に相当する。これらよりも高度に加工された木材は従来の手順で手続きされる。
アンドレイ・ベルヤニノフ関税局長が署名したこの命令書によって、各税関は、違法伐採木材の輸出量の減少と、通関価額の不当引下げの規模縮小を期待している。
出典はこちら
http://archive.mag2.com/0000143721/20080328083000001.html


2008/03/25 Forbesニュース:APP社の新しい道路建設が重要な環境保護地域を破壊
インドネシアのスマトラ島、リアウ州で、伐採した丸太を搬出するための道路が違法に建設されたことが判明し問題となっている。道路はスマトラ島内に広がる世界有数の泥炭湿地林を破壊しており、水循環サイクルを有する貴重な生態系に多大な影響を与えているとされる。
インドネシアのNGO「Eyes on the Forest」によると、現地の紙・パルプ会社APPがインドネシアの森林保護に関する法律を全く無視する形で、道路建設を行ったもの。道路が建設されたリアウ州Kampar半島は深さ10メートルの泥炭湿地林や、絶滅危惧種となっているスマトラトラの生息地として知られ、極めて重要な保護地域である。APP関係者は、「道路建設は現地のコミュニティに経済的利益をもたらすことを目的としていた」と主張しているが、実際の商業利得は周辺の貧しい村人達に入る仕組みにはなっていない。
原文はこちら
http://www.forbes.com/prnewswire/feeds/prnewswire/
2008/03/25/prnewswire200803252000PR_NEWS_USPR_____DC17538.html


2008/03/19 BBCニュース:ベトナム、違法伐採材の加工基地に
環境団体EIAの調べによると、現在ベトナムは近隣の東南アジア諸国から違法伐採材を頻繁に調達していることがわかった。ベトナム国内の木材業者が近隣のラオスなどに渡って木材を違法に調達しているようだ。ベトナムでは1990年代後半より国内の森林伐採規制を強化しているが、その一方で、木製家具産業の拡大を促進している。EIAの担当者は「現在EU主導でFLEGTと呼ばれる貿易対策が取組まれているが、現状の体制では木材輸出国からの直接輸入に焦点を置いているのみで、家具など経由地で加工される製品までは対応していない」と述べている。
原文はこちら
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7302732.stm


2008/03/05 Mongabay. com:違法伐採対策が2008年G8サミットの重要課題に
福田康夫首相は2月20~21日、ブラジルの首都ブラジリアで行われた気候変動フォーラムにおける演説の中で次のように述べた。「"持続可能な森林管理"を推進するにあたって、我々は乱伐や森林の荒廃を止める努力をしなければならない。私は解決に向けて大きく前進するために、関連諸国と森林関係の議論を活発にしたいと考えています」、「日本は"クールアース推進構想"として、率先して100億ドルを投じ、新興国が環境問題に取り組む手助けをしながら、自国の温室効果ガス排出を減少させるでしょう」。
福田首相の発言に沿って、気候変動フォーラムでは違法伐採を減少させる提案がなされた。この提案では、各国が発展しながら『信頼、証明できる持続可能な森林管理』を進めるために、財政的な援助とともに、地球規模の認証制度や木材の追跡システムの構築が求められている。
原文はこちら
http://news.mongabay.com/2008/0305-g8_timber.html


2008/02/26 BBCニュース:アマゾン・パラ州、違法伐採取締まりに軍隊派遣も地域住民と衝突
ブラジル・パラ州タイランディアの町では、違法伐採により急激に森林が消失している。人口約6万7千人のこの町に、160もの製材所があり、雇用は2千~3千人余り。地域の重要産業の一つになっている。この地域では約70%の生産が違法伐採だとされている。環境局は違法伐採を取締まる警察官の支援のため160人程の軍隊を派遣したが、このことが地域住民との衝突を招いた。
2000人もの住民が道を封鎖し、環境当局の研究者や関係者に町をでていくよう抗議した。これは経済発展と環境保護における葛藤と、地域住民全てが伐採取締政策に協力的というわけではない、ということを表している。この地域ではこれまでにおよそ15,000m3の違法伐採材が当局によって押収されているものの、2007年下半期における急激な森林減少を考慮し、ブラジル政府はより一層の調査と取締を遂行する、と伝えている。
原文はこちら
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7264295.stm


2008/02/21 BBCニュース:違法伐採に新しい法律を
G8と主要新興国5カ国の議員がブラジルに会した席で、違法伐採に関する新しい法律をめぐる動きが議論された。違法伐採材の取扱いを犯罪とする法律をそれぞれの国で制定するように各国に求めたものだ。この提案では、違法伐採丸太の供給元が丸太の消費国で起訴される可能性もあり、リスク回避のために卸売業者は自分たちが供給する木材の出所に関心を払うようになる効果を期待している。
ブラジルではこの提案を受けて、15の主要林業会社の代表者が、伐採や熱帯雨林の荒廃による問題を認め、新しく『2015年に向けた熱帯林業のビジョン』を出した。これは森林企業と地元社会の協力や、信頼性の高い森林認証制度を進めるよう求めるものである。
先月発表されたデータによると、アマゾンの森林伐採は、ここ3年減少していたものの、再び加速しており、ブラジルでは熱帯雨林の効果的な保護が新たな緊急課題となっているという。
原文はこちら
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7257008.stm


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