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フェアウッド世界のニュース 第54号 2008年12月12日

2008年度の世界有力企業2000社番付で堂々の1位に格付けされたHSBCホールディングスが、違法伐採やパーム油の事業への融資を取り止めると発表しました。この革新的な動きに今後も注目していきましょう。

■事務局からのお知らせ■
「森林と木材について学ぼう」キャンペーンのページを作成しました。引き続き無料出張講座の募集も行っています。『森林』、『木材』、この二つのキーワードについて関心がある方は是非一度下記のページをご覧下さい。
http://www.fairwood.jp/fukyu/index.shtml



2008/12/2 ロイター:HSBC、マレーシア、インドネシアでのパームオイル農園への出資自粛へ
HSBCホールディングスは、環境配慮こそが、同社がマレーシア、インドネシアでの林業への融資を縮小し、カナダの油砂採掘事業との関連を見直す原因である、と発表した。HSBCホールディングス環境アドバイザー、フランシス・サリヴァン氏によると「HSBCはパームやし、大豆、伐採を含む森林事業者のうち、3分の1との取引を断つ予定である」との事。これにより、同社は天然林を含む森林を伐採するなど、違法性や持続可能性が疑われる事業との関連を完全に断つ。
(※HSBCホールディングス…イギリスに本社を置く世界最大級の金融グループ)
原文はこちら
http://www.reuters.com/article/GCA-GreenBusiness/idUSTRE4B143620081202


2008/12/9 ロイター:ブッシュ政権、最後の反環境政策成立へ
合衆国ブッシュ大統領は、残り少ないホワイトハウスでの業務の中、オバマ政権へと引き継ぐ反環境的な政策を取りまとめ、今まで以上の批判を浴びている。米下院地球温暖化委員会のスタッフは、11月4日の選挙の直前に「環境規制緩和に関して、ブッシュ政権の最初の100日間が米国史上で最悪の期間かと思われたが、最後の100日間はもっと最悪なものになってしまった。」とコメントした。
原文はこちら
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE4B86TO20081209


2008/12/9 Wetland International(プレスリリース):フィンランド、泥炭地に関するEU再生可能エネルギー法改正案に抜け穴的提案
Wetland International(※世界的な湿地保全団体)は、フィンランドとスウェーデンがEU規制法案に抜け穴を作ることに成功してしまうと、世界の泥炭地の大部分はバイオ燃料の為に開墾されてゆくだろう、との見方を示した。現在世界 の泥炭地の約95%は何らかの形で人為的に炭素放出しており、手付かずの泥炭地のみを保護対象としているフィンランドの提案(スウェーデンに支持されている)は見直しが必要であると考えられている。
原文はこちら
http://www.wetlands.org/NewsandEvents/NewsPressreleases/tabid/60/articleType/ArticleView /articleId/1616/Default.aspx


2008/12/7 BBC:ペルー政府、10年以内に森林減少を完全に防止すると発表
ペルー政府は欧州の資金援助を受け、10年以内に森林減少をゼロにすると発表した。これは現在ポーランドのポズナニで行われている、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第14回締約国会議(COP14)の場で発表された野心的な提案であり、ペルー政府は、同国の原生林の80%以上を保存または保護する事が出来ると主張している。ペルーはブラジル、コンゴ、インドネシアに次ぎ世界で4番目に大きな熱帯雨林を擁し、国内の森林被覆率は約60%、およそ7000万Haにも達する。アントニオ・ブラック環境大臣はBBCに対し、「我々は援助を乞う為にポズナニに来た貧困国ではない」とコメントした。
原文はこちら
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7768226.stm


2008/12/5 ジャカルタポスト:森林減少こそがアチェで乱発する洪水の原因
環境問題関係者によると、今年度アチェ特別州(インドネシア)では災害緩和の為に500億ルピア(417万$US)もの税金が投入されたにも関わらず、州の殆ど全体で自然・人為災害、特に洪水が依然猛威を振るっているとの事。WALHIアチェ支部データベース部長のムハンマド・ヌール氏は「資金は災害緩和の為ではなく、非常時の救援物資や対処の為に使用されてしまった」と当紙に語った。この災害を引き起こしている森林減少は、政府の行政能力不足によって助長された農園開発や違法伐採、採掘などの天然資源開発の結果だと考えられている。
原文はこちら
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/05/deforestation-039main-cause039-recur ring-floods-aceh.html


2008/12/5 ニュー・サイエンティスト誌:UNEP、世界のどの森林が最優先保護対象かを表した地図を発表 - UNFCCC
この新しい地図は、どの森林が膨大な炭素を蓄積しているか、またどれぐらいの生物多様性を擁しているかを示し、限りある資源の最も効率的な利用を促し、どれだけ自然保護に役立てる事が出来るかを示している。この地図を発表した国際連合環境計画(UNEP)は、これが森林保護へのさらなる投資を誘引する事を期待しているという。森林は空気から二酸化炭素を吸収し、植物の体としてそれを保存しているが、各地域の森林は様々な要因(地域の気候と樹種など)により、蓄積している炭素量が違っている為だ。
原文はこちら
http://www.newscientist.com/article/dn16212-conservation-atlas-reveals-most-valuable- forest.html
地図はこちら(PDFファイル、5,694kb)
http://www.unep.org/pdf/carbon_biodiversity.pdf


2008/12/3 産経新聞:バイオ燃料の国際基準 日本方針 「天然林転用に歯止めを」
農林水産省は、自然環境と共生しながら安定的な成長を目指す「持続可能性」をテーマに、バイオマス(生物由来の有機資源)燃料の国際基準に対する日本政府の基本的な考え方をまとめた。このうち、バイオマス活用の意義については「地球温暖化防止、循環型社会の形成、エネルギー安全保障の向上に貢献し、地域活性化や雇用にもつながる」と評価し、現在放棄されている耕作地などを活用することで食料安全保障や農林水産業の新領域の開拓にも役立つとの考えを示した。
全文はこちら
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200812030008a.nwc



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