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フェアウッド世界のニュース 第62号 2009年8月21日

中国では、海外進出した中国企業に対して、進出先の環境規制が十分でない場合、海外においても中国国内で定められている環境規制を適用する法案を提出しました。


★2009.8.7 Mongabay.com:中国企業、海外での環境破壊責任求められる
中国国外で経営を営み、環境に害を与えている企業は近々その責任を持たされることになる可能性を中国メディアが伝えた。
中国の環境保護省と商務省が海外で経営を営むすべての中国企業に適用される環境規制法案を起草。中国企業は本国である中国と、その経営が営まれている国での環境法に従うことが求められる。この法案起草に協力したNGO”Global Environmental Institution” (GEI全球環境研究所)のZhi Yingbiao氏によれば中国の基準がそのホスト国の基準より高い場合、中国の基準が適用される。その規制法案は公害予防手段を含み、中国企業が環境破壊を引き起こした際、その会社には賠償が求められる。 全文はこちら(日本語、元記事:ChinaDaily)
http://jp.mongabay.com/news/2009/0807-0723-china_rules.html

●2009.8.18 日刊工業新聞:三井物産、5カ所の社有林で生物多様性評価- HEP手法採用
三井物産は、日本生態系協会(東京都豊島区)とともに、三井物産の社有林である「三井物産の森」の生物多様性評価を実施した。生物多様性に配慮した森林管理のため、定量的なデータを把握するのが目的。評価には米国を中心に活用されているハビタット評価手続き(HEP)を用いており、三井物産ではHEPによる新管理の方針や計画の検討に活用した国内初の事例としている。
全文はこちら(日本語)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0420090818caam.html
(参考)三井物産ニュースリリース
http://www.mitsui.co.jp/release/2009/1189834_3576.html
(参考)日本生態系協会リリース
http://www.ecosys.or.jp/eco-japan/PR090812.pdf

●2009.8.12 ロイター:ケニア政府、森林減少対策として76億本の植林を予定
ケニア政府は、近年深刻な水・電力不足となって現れている、ここ数十年に亘る森林伐採を補償するため、次の20年間で76億本の木を植林することを明らかにした。政府が目標を10%と定める、東アフリカ経済の農業用地における政府管轄下の森林地域は、現在ちょうど3%である。 John Michuki環境大臣は、"我々は、国際的に認められる割合を達成するためには、約410万ヘクタールも植林しなければならない"、と当紙記者に語った。
原文はこちら(英語)
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE57B3BU20090812

●2009.8.10 Indigenous Portal:マレーシア先住民族、プランテーションな どの資源開発プロジェクトに対し一時停止を要求
"国連での宣言の通り、本日8月9日は国際先住民族の日である。この重要な日を祝うにあたり、我々は下記の通り共同で声明文を発表する:
- わたしたち、先住民族組織は、私たちの権利と環境を保護する有効な法案が成立するまで、わたしたちの土地において大規模な農園開発やその他の開発行為を停止する事を各州政府に要求する。..."
(※マレーシア先住民族組織連合の声明文より)
原文はこちら(英語)
http://www.indigenousportal.com/Environment/-Malaysian-Indigenous-Peoples-want-moratorium-on-plantations-other-extractive-projects.html

●2009.8.9 内蒙古新聞網:潜在力の大きい中国製家具の対ロ輸出
満州里税関によれば、今年1‐7月、内蒙古(内モンゴル)自治区満州里税関経由の対ロ家具輸出額は、2008年同期比14%増の194.7万米ドルであった。中国製家具のロシア市場への輸出には大きな潜在力があると専門家は分析している。
情報によれば、満州里税関経由の中国製家具輸出企業は、江蘇省と内蒙古自治区に集中している。業界筋の分析によれば、08年11月1日から中国は4回にわたり家具輸出時の増値税還付率を引き上げ、寝室用、オフィス用、台所用木製家具、他の木製家具などの輸出時増値税還付率を9%から13%に引き上げ、09年6月の調整では、一部家具製品についてさらに15%にまで引き上げた。この一連の輸出奨励策により、家具輸出企業の負担が軽減され、国際的な競争力も上がっている。
ロシア家具業は生産能力が低く、中低級製品が主で、市場競争力も弱く、輸入に依存している。金融危機の影響により、ロシア人の高価な欧州家具に対する消費が減少し、中国家具メーカーにとって巨大なビジネスチャンスとなっている。
原文はこちら(中国語)
http://cnnews.nmgnews.com.cn/system/2009/08/12/010265669.shtml

●2009.8.6 ロイター:キンバリー・クラーク社、森林保護のためグリーンピースに協力
「Kleenex(クリネックス)」や「Scott(スコット)」などのティッシュで知られる世界最大の紙製品大手キンバリー・クラーク(米)はグリーンピースと協力体制を取る事を発表し、環境的に信頼出来る木質繊維を使用する事によって、森林保護に貢献する方針を発表した。カナダの北方林皆伐を続ける同社へのキャンペーンを展開してきたグリーンピースとの共同発表によれば、キンバリー・クラークは今後FSC認証を受けない限り、国中に広がる森林からの木質繊維は購入しないとのこと。
同社のグローバル・サステイナビリティ副部長のSuhas Apte氏は「我々は100年以上続く歴史ある会社ですが、次の100年間も同じ場所、ここで事業を続けてゆきたいのです。さらに、我々がそれをするには、持続可能な森林管理を行っていく事が唯一の方法なのです。」と電話インタビューにて語った。
原文はこちら(英語)
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE5745AM20090805

●2009.8.4 ロイター:世銀、コンゴのプロジェクトから二酸化炭素排出権を購入
世界銀行は、伐採で破壊された森林を、約4,120ヘクタール植林し回復させるコンゴ民主共和国でのプロジェクトから、50万トン分の二酸化炭素排出権を購入すると発表した。伐採・焼失した森林地帯での植林は大量の二酸化炭素を吸収するため、温室効果ガス排出を減少させる主な方法として注目されている。世界銀行によると、この分野における西アフリカ一の企業、Novacel(コンゴ)との間で排出削減購入契約(ERPA)が取り交わされたとのこと。
原文はこちら(英語)
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE57409I20090805

●2009.8.3 フジサンケイビジネスアイ:【環境CSRの一手】セブン&アイ・ホールディングス
流通大手のセブン&アイ・ホールディングスは、熱帯雨林を保護することによりCO2の排出を抑える「原生熱帯林保全プログラム」に参画し始めた。民間企業の参画は世界で初めてだという。同社が「費用対効果」に最も見合うとして導き出した結論は「原生熱帯林保全プログラム」への参画だ。世界で排出されている温室効果ガスのうち、18~25%は森林破壊に基づくものと同社は見ており、稲岡稔常務執行役員は「森林保護によるCO2削減の効果は相当大きい」と指摘する。
全文はこちら(日本語)
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200908030011a.nwc



■お知らせ■ フェアウッド・ムービー「木の来た道―ways of experiencing wood」上映会
わたしたちの身の回りにある家具や紙などの木材製品の原料は、いったいどんな森からやってくるのでしょうか?「フェアウッド」とは、産地の森を破壊せず、地元の生活者や生産者の人たちのことも考えて生産された木材をあらわす言葉です。

フェアウッド・パートナーズでは、国産材の木製カップや森林農法によるオーガニックコーヒーを頂きながら、森のことや木のことに想いを巡らせるイベントFairwood Cafeを企画・運営しています。お友達やご家族と一緒に、ぜひご来店くださいね!

【8月、9月のFairwood Cafe】
8月24日(月) 18:00~20:30 【上映会】水都大阪2009
8月27~29日(木) [終日] DIYショー特別展示「都市廃材の秘密基地」
8月27日(木) 19:00~20:30 【上映会】丸の内さえずり館 (東京・有楽町)
9月26日(土) [終日] 森林ツアー:木の来た道~西川材の生産地を訪ねる
(↓詳しくはこちら!↓)
http://www.fairwood.jp/news/pr_ev/pr090812_fwcafe.html



■お知らせ■ 連続セミナー「人々の生物多様性」
第1回「ラオスの森林と開発、そして生物多様性」
2009年9月8日(火) 14:00~16:30 地球環境パートナーシップ・オフィス
http://www.gef.or.jp/activity/forest/biodiv/seminar2009.html

地球・人間環境フォーラム、国際環境NGO FoE Japanは、地元コミュニティとの関係から生物多様性を考える、連続セミナー「人々の生物多様性」を開催します。第1回はラオスの森からの報告です。



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