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フェアウッド世界のニュース 第63号 2009年9月30日

環境省が創設した「生物多様性 日本アワード」で、フェアウッド・パートナーズとの協力体制の中で策定した、積水ハウス株式会社の「生物多様性保全を含む10の調達方針」が優秀賞を受賞しました。


★2009.9.10 積水ハウス:第1回「生物多様性 日本アワード」において優秀賞を受賞
積水ハウスでは、持続可能な木材利用を可能にするため、 2005年に木質建材を取り扱っている主要取引先約60社に対し、各種設備や部材で使用している樹種や原産地、合法性などについての調査を実施し、 その結果を基に2007年4月に独自の「木材調達ガイドライン」を策定しました。本ガイドラインでは、調達木材の合法性だけでなく、生物多様性の保全や伐採地の住民の暮らし、国内林業の活性化など、幅広い視野を持った10の調達指針を制定しています。また、調達指針ごとの評価点の合計で木材をS、A、B、Cの4つの調達ランクに分類し、評価が低いCランクの木材を減らし、評価の高いSランクの木材を増やす方向でフェアウッド調達を進めています。
全文はこちら(日本語)
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/newsobj1333.html

●2009.9.16 プレスリリース:マレーシア先住民族ネットワークのリーダー逮捕
サラワク州の15人の先住民族リーダーが、2つのダム建設によって影響を受ける先住民族を代表して、州知事に抗議文書を送付しようとしたところ、本日午後2時45分、クチン警察により逮捕された。
逮捕されたのは、サラワクのカヤン族、クニャ族、およびプナン族共同体の代表に加え、マレーシア先住民族ネットワーク(JOAS)の各リーダー、Mark Bujang(BRIMAS)とRaymond Abin(BRIMAS)、Hellan Empaing(WADESA)。
原文はこちら(英語)
http://apiyn.org/home/?p=240
参考:バリケード設置のニュース (Mongabay、英語)
http://news.mongabay.com/2009/0915-hance_penan_review.html
※拘留された先住民族の釈放を求め、Jaringan Orang Asal SeMalaysia(JOAS)およびブルーノ・マンサー財団が、電話やレター送付の抗議行動を呼びかけている。詳細は下記URL(英語)をご参照下さい。
http://www.bmf.ch/en/news/?show=173

●2009.9.11 中国木材網:ロシア材の輸入量が明らかに減少
政策調整や経済の沈滞等さまざまな要因により、2009年上半期の中国へのロシア材の輸入量は明らかに減少した。
天然保護プロジェクトの実施(1998年)以来、中国のロシア材輸入量は年々増加していた。2000年にはロシアが一躍中国最大の木材供給国となり、取引量は一貫して大きく増加する傾向にあった。そして2008年までは、ロシア産原木が中国の木材輸入量に締める割合は平均50%を超えていた。しかし、ロシア政府が輸出関税の80%までの引き上げを計画後、ロシア材の輸入量は次第に減少し、中露の木材貿易の情勢は逆転した。
業界関係者によれば、紅松などの希少種はほとんど取り扱いがなくなり、ニレ、ナラ、カバなどの取り引きも大幅に減少した。
原文はこちら(中国語)
http://www.chinatimber.org/news/30204.html

●2009.9.6 Mongabay.com:アマゾンの破壊された森林の20%が再生中
ブラジルのアマゾン川流域で破壊されたうち、少なくとも20%の土地が再度森林へと成長中である事がブラジル国立宇宙研究所(INPE)によって報告された。
INPEの専門家によると、高解像度衛生写真を分析した際、Para、Mato Grosso、Amapaなどの森林破壊が顕著である地域において、広い範囲で再生が確認されたという。
2018年までに森林減少による二酸化炭素排出量を70%(対1996-2005年比)削減という目標をもつブラジルにとって、森林減少や再生状況をモニタリングする信頼のおけるシステムは不可欠となっていた。
原文はこちら(英語)
http://news.mongabay.com/2009/0906-amazon_forest_recovery.html

●2009.9.4 フジサンケイビジネスアイ:縁故資本主義 熱帯雨林食い荒らす
ボルネオ島のマレーシア領西部に位置するサラワク州で州政府主導の開発が進んでいる。世界でも残り少ない手つかずの熱帯雨林は、油ヤシ農園に取って代わりつつある。油ヤシ栽培を目的とした森林開発は、サラワク州アブドル・タイブ・マハムド首相(73)が主導する経済開発派が推進。これに反対する環境保護派との対立が激しくなっている状況だ。
28年間続いているタイブ政権は森林伐採の交付権を有し、連邦政府の巨大プロジェクトを支持している。このプロジェクトが進める州最大級の水力発電所建設、油ヤシのプランテーション計画によって熱帯雨林は減少。遊牧民の生活の場やオランウータン、テングザルなど希少な野生動物の生息場所が失われている。
全文はこちら(日本語)
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200909040021a.nwc

●2009.09.01 Foebes.com:ロシア政府、木材輸出税増税を2011年まで延期
モスクワ(1日、ロイター) - ロシア政府は、先の金融危機により国内で木材加工施設を1年間で整備する事が困難になったため、前年度に発表した木材輸出税の増税を2011年まで延期する、と同国内紙(Vedomosti Business Daily)が報道した。
同紙によると、この金融危機の間、木材輸出業者を保護する目的のこの延期は、10月に決議される予定であるとのこと。政府は国内の木材加工産業の推進のため、2009年から木材輸出税を3倍にする計画であったが、少なくとも2010年まで延期すると伝えている。
原文はこちら(英語)
http://www.forbes.com/feeds/afx/2009/09/01/afx6835247.html

●2009.08.22 Jakarta Post:政府、保護林からの材木の一部を輸出許可へ
インドネシア政府は、林業部門の収益を押し上げる方法として、現在禁止されている天然林からのS4S(※)材と丸太の輸出を許可する検討中である、と当局の担当者が語った。
「現在、関係各省と協議中であるが、上手く行けば、直ぐに規則を発効できるだろう」と林業省 林産品開発部長のHadi Daryanto氏は語る。また同氏は、世界的な金融危機にもかかわらず、S4S材と丸太が海外の特定の市場で需要があり、特に中東市場の需要が強いと主張する。
(※S4S…smooth finish on all four sides、4面を滑らかに加工した材木)
原文はこちら(英語)
http://www.thejakartapost.com/news/2009/08/22/govt-allow-some-export-protected-forest-wood.html

●2009.9.4 The Sydney Morning Herald:オーストラリアの企業、パプア・ニューギニアでの1億円もの炭素取引詐欺に関与か
パプア・ニューギニア(PNG)の地域住民が所有する森林を騙し取るために、偽の炭素証明書を利用したというクレームが発生し、オーストラリアの企業がスキャンダルの渦中にいる。
このスキャンダルは、PNGやインドネシアなどの森林を世界の炭素取引市場に引き込むよう努力している、オーストラリア気候変動大臣Penny Wong氏の努力を台無しにする恐れがある。彼女は、昨日のインタビューで、このスキャンダルが先月の国連気候会談に上がっていたかどうか、またこの件についてPNG首相Michael Somare氏と話し合ったかどうか、答えることを拒否したという。
原文はこちら(英語)
http://www.smh.com.au/environment/australian-firm-linked-to-pngs-100m-carbon-trading-scandal-20090903-fa2y.html

●2009.9.3 Reuter:アメリカ西部のホワイトポプラが次々と枯死、消える秋の色
地球温暖化の波が押し寄せ、米国西部の秋はその色を失いつつあり、そしてその状況は見た目以上に危機に瀕している。
その名が有名なコロラドのスキー場に使われた、白い樹皮に金色の葉を持つ木"Aspen"(ホワイトポプラ)が、ロッキー山脈の向こう側の各州で次々と枯死している。この災害は不運にもアメリカ・カナダ西部において何百万エーカーものマツ、トウヒの森を壊滅させている甲虫の大発生が重なっており、通常甲虫が死ぬ冬の温度が温暖化により暖冬となった事も大発生の原因だという。
原文はこちら(英語)
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE5826QY20090903

●2009.9.1 UK DEFRA:英国政府木材調達方針に社会性項目の追加を検討
英国政府は公共木材調達方針の持続可能性基準に社会性項目を加えることについて検討、一般からの意見を募集している。公共調達方針を持つその他の国や国際条約等との整合性をかんがみ、EUの公共調達指令では社会性項目を除外するとの従来の解釈を英国政府は修正したもの。具体的には下記項目の追加が検討されている。
(1)森林に関連する法的、慣習的、伝統的権利の明確化、認知、尊重
(2)木材生産者と地域住民との間の紛争解決メカニズム
(3)労働者の組織・交渉権
コンサルテーション期間は2009年10月21日まで。
原文はこちら(英語)
http://www.defra.gov.uk/corporate/consult/timber-procurement/index.htm
参考:CPET website
http://www.proforest.net/cpet/review-comments-1/current-reviews-and-consultations/



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紙製品を大量に消費している企業。生物多様性保全の観点からも、森林資源の持続的な利用は極めて重要です。

そこで、注目されているのがFSC認証紙。適切な原材料を使用して生産されたFSC認証紙を積極的に使用することは、生物多様性保全など世界の森林保全に間接的に貢献します。更に、間接的な貢献のみならず、国内のFSC認証森林を直接支援する仕組みが始まっています。

これらの豊かな森づくりに取り組む具体的な事例を取り上げ、「FSC森林認証製品の積極的な調達」および「FSC森林認証の森づくり支援」を通して、生物多様性の保全に貢献する新しい視点からのCSR活動を提案いたします。

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◆場所:新宿区立、牛込箪笥区民ホール
◆参加費:1000円(Forsta、WWF、山笑会の会員は無料)
◆主催:FSCジャパン、WWF山笑会(さんしょうかい)の共催
◆以下の講演を実施予定(各20~30分)
1.CSRと生物多様性~生物多様性、企業は何をするべきか
2.「FSC森林認証の森」サポーター制度-企業にとっての意義
3.岩泉町での「FSC森林認証の森」づくり-支援プログラムについて
4.岩泉町での「FSC森林認証の森」づくり -支援企業の立場から
5.東白川村での「FSC森林認証の森」づくり -東白川村の支援体制
6.東白川村での「FSC森林認証の森」づくり -支援プログラムについて

*詳細およびお申込みは以下のPDFファイルをご覧ください。
http://www.forsta.or.jp/fsc/images/files/091006semin.pdf



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