1.皮むき間伐で、日本の森をキラキラに。
キラめく希望の一滴、静岡県富士宮から世界中へ
日本には
木々が息苦しくひしめき合っている森が
たくさんあるということを
知っていますか?
森には光も差し込まないため、草も生えず、生きものの餌もありません。
木も太くなれず、ひょろひょろの木が並んでいます。
そして、こうした木は使われずに放って置かれ、
海外の原生林を破壊しながら大量の木材が輸入されているのです。
現在、日本の木材の自給率はわずか2割。
これが、森林率67%という世界有数の森林国、日本の現状です。
こうした森に光を入れ、森を生き物の住む森として蘇らせるため、
また、木材として木が太っていけるようにしてあげるため、
私たちは、間伐を進めています。
今、多くの人々が、
地球の、自然の未来に意識を向け、動きはじめています。
私たち「森の蘇り」は、多くの人たちと繋がり、
日本各地の森を蘇らせる活動をサポートしていきたいと思っています。
また、私たちは、
思いを持った人と人との出会いを結び、
お互いのチカラを生かしあうことで、
このムーヴメントの波紋が広がっていくことを願っています
もう、誰もが感じはじめていること
今という時代は、人が自然を思いやり、感謝し、
自然に抱かれて初めていきいきと幸せに生きていけることに気づくとき、
そして、
自然と人間が本当の意味で、ともに生きていくことを目指すときなのかもしれません。
このことは、もはやもう、誰もが感じはじめていることではないでしょうか。
日本の森は、わたしたちからのケアを求めています
日光が入らない過密人工林の多い日本の森。
その森たちを死の森にしないためには、
間伐をして森の地表まで日の光を入れてあげることが大切。
手入れを必要とする過密人工林は全国で800万ヘクタール(総国土面積の2割以上)。
今まで、この間伐作業は林業のプロにしかできないこととされてきましたが、
皮むき間伐なら、誰もが簡単に森のケア・テイカー(手入れをする人)に
なれるのです。
なぜ、日本には、手入れされないままの過密人工林が多いのか?
1950年から60年代に、戦後の復興事業として、拡大造林の一大ブームが起き、
日本の人工林率は全森林の4割を超えるという、
驚異的な山の模様替えがなされました。
しかし、60年代以降に安い外国産材の輸入が始まったり、
金属やプラスチックなど木に代わる素材が大量に流れ始めました。
そのため、経済成長の波にのまれた日本の人工林は、
間伐など手入れする人手も足らず、仕事にもならず放置状態になってしまったのです。
『皮むき間伐』の手法が今注目されています
きらめ樹体験(皮むき間伐)をする カブスカウトの子どもたち。 |
皮むき間伐は、木の皮をむき、立ち木のまま枯らし、その木の命をいただくもの。
皮をむくことで、木は根からの水分を通さなくなります。
やがて枝葉が枯れ落ち、その隙間から光が差し込み、ゆっくりと森が蘇るのです。
一本の木の命から 一年後には何十種類の新しい命が生まれ変わります。
今、この皮むき間伐が、『子どもでもできる省力的で画期的な間伐手法』として、
全国各地で大変注目されています。
また、私たち森の蘇りでは、この皮むき間伐を『きらめ樹体験』という名で呼びかけ、
より多くの人に体験してもらう機会を創造しています。
◎皮むき間伐(巻き枯らし間伐)の詳細は、
書籍『図解 これならできる山づくり-人工林再生の新しいやり方』
《鋸谷 茂・大内 正伸 著/(社)農山漁村文化協会 出版》
をご参照ください。
◎皮むき間伐の手順イメージは、以下のブログから確認できます。
http://morimizuhitonet.blog102.fc2.com/blog-entry-3.html
きらめ樹体験(皮むき間伐)の持つ魅力
従来の間伐にはない、きらめ樹体験ならではの魅力をご紹介します。
きらめ樹の天然素材でつくられた 手作りの小屋『コードウッドハウス』 |
・老若男女問わず、誰にでもできる。
・小さなのこぎりと竹のへらだけで簡単にできる。
・スルスルと皮をむき、きらめく木肌に触れる体験を楽しめる。
・環境教育として、子どもたちに価値ある体験を提供できる。
・年月をかけ少しずつ日光が差し込んでいく間伐手法のため、森は多種多様な生態系へ
とゆっくり時間をかけ変化していく。
・立ち木のまま1年以上置いておけば、天然乾燥されるため、従来の機械による人工的
な乾燥よりもエコロジー。また、天然乾燥は木のひび割れが起こりにくい。
さらに、天然乾燥だから、木材に含まれるヒノキチオール
(森林浴効果があり、シックハウス症候群の緩和にもなる天然成分)
も失われにくい。
・乾燥した立ち木を切り出す際、水分が抜けた分だけ木は軽く、運びやすい。
(輸送時のCO2も削減できる。)
・従来の間伐に比べ、実施コストは半分程度でできる。
これらの特徴に、私たちは大きな可能性を感じているのです。
森はみんなの力で変えられます。
『緑の雇用』が求められる時代
皮をむいた後は、1~2年ほど立ち木のままで 天然乾燥させ、それから、切って運び出す。 まさに、『樹の巣立ち』のときです。 |
誰もが日本の森のために、地球環境のために、
動き出すことができる皮むき間伐。
これを労働対価が得られるものとしても成り立つよう、
私たちはさまざまな試みを行っています。
例えば、今年5月には住まいや仕事を必要としているビッグイシュー販売者11名に、
皮むき間伐を行ってもらい、日当金をお支払いする『グリーンジョブ』として
豊かな1日を過ごしていただきました。
森や人が笑顔になる素敵な仕事が、当たり前のように存在する未来でありますように。
『錦の回廊づくり』で、すべてがひとつにつながる
『樹づかい』は、間伐した木の行き先づくり・使い道づくりをする取り組みのこと。
間伐材を加工し、建材や木工品として、樹々の生命を街へ、次世代へ届けるものです。
そのほかにも、短く切った細い間伐材を積み上げ、
天然素材だけでつくることができる快適な家『コードウッドハウス』や、
骨組みに皮むき丸太を使ったドーム『フラードーム』の実用化にも取り組んでいます。
◎製材・リフォームの様子は以下のブログから確認できます。
http://morimizuhitonet.blog102.fc2.com/blog-entry-8.html
これからのあなたと、会えるうれしさ
人と人が出会い、ともに動き出すことで、
森は確かに変わりはじめます。
たとえ、絶望的な現実がそこにあったとしても、
いつも何度でも、人は歩き出し、
そして、森は蘇る。
あなたとお会いできるいつかを、
楽しみにしています。
かなしみは数えきれないけれど
その向こうできっとあなたに会える…