近年、政府や企業は気候や生物多様性の目標を達成するための対策を躊躇しており、場合によっては規制の枠組みを弱めたり、自主的な取り組みから撤退したりしている。
業界の専門家、民間セクター、環境保護団体は、これは驚くべきことではないが、理由はそれぞれ異なると述べている。
対策の達成は難しすぎると主張する専門家もいれば、政府や企業は持続可能性よりも利益を優先していると主張する専門家もいる。
EUの企業持続性デューディリジェンス指令(CSDDD)は、国および企業が気候・生物多様性の目標を達成するために採用するのを躊躇してきた規制枠組みの一つである。業界の専門家は、この躊躇の理由は、基準が非現実的であるか、または達成が難しすぎるためだと言う。CSDDDは、ドイツ・フランス・イタリアなどの国が支持に消極的だったために投票が遅れた。条文は骨抜きにされ、先住民の権利保護の記述が欠落しており、批評家らは、環境・人権の保護には不十分だとみている。
また、この2月には、J.P.モルガン・アセット・マネジメント、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、ピムコなどの金融機関が、Climate Action 100+(CA100+)から撤退する決定について発表した。
さらに、ロイターによると、スタンダード・チャータード銀行やHSBC等の大手銀行数行は、化石燃料への融資継続を妨げる恐れがあるとして、科学に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi)から脱退した。SBTiの温室効果ガス排出目標設定の要求は達成が難しすぎると関係者はロイターに語っている。SBTiが、ネットゼロ目標を提出していない971社を調査したところ、その21%はスコープ3排出量を把握できなかったためと回答していた。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2024/04/international-hesitancy-to-adopt-environmental-regulations-threatens-indigenous-rights/