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Mongabay:ブラジルのセラード復元に植林は良くない選択肢、と専門家

ブラジルのセラード(サバンナ)は200万平方キロメートルの広さがあり、ブラジルで2番目に広いバイオーム(植物群系)であるが、そのうち在来植生で覆われているのは54.4%で、手付かずのままなのは20%程度である。復元の方法としては現在、劣化した地域に木を植えることが主に提案されている。しかしサンパウロ州立大学の生態学者、フィデリス氏によると、草原・サバンナ生態系でもっとも重要な
要素は、草本と小さな植物であり、木ではないという。農地からセラードを復元することは、それが積極的な復元行動を必要とするため、
もっとも困難であるという。セラードが大豆やトウモロコシ農地に転換されると、在来植物とその再生構造、土壌微生物の破壊により生物多様性が完全に喪失し、あらゆる劣化のなかでももっとも劇的な劣化となる。フィデリス氏はまた「草原、サバンナは劣化した森林ではない。課題の一つは、劣化したサバンナを復元する最善の技術がまだわかっていないことだ。」と言っている。
マットグロッソ州立大学の生物学者、ゴーベル氏は、セラード回復のためには、その生物多様性と、生物多様性がもたらすサービスも復元されなければならないと言う。「サバンナの植物の大部分は種子を散布する動物に依存しているため、在来の動物相を回復することが重要だ。従って、鳥、バク、霊長類、コウモリなどの野生生物を保護すれば、劣化した地域の回復につながり、在来の植生がよく育つようになる。」しかし成功した復元プロジェクトはまれだという。
原文はこちら(英語)
https://bit.ly/3LHIBc6