過去30年間、国連は気候サミットを支援してきたが、このプロセスは、炭素排出量の大幅な削減や、化石燃料の段階的廃止への法的拘束力のある道筋を提供できていない。化石燃料利権の影響を大きく受けた今回のCOP28サミットは、「化石燃料からの脱却(transition away)」という画期的な約束をしたものの、この取り決めもまた、自主的なものである。
現在、政府に化石燃料の規制や現行法の施行をさせるため、訴訟が利用されるケースが増えている。
世界の気候関連訴訟を支援するNGO、クライエントアースのクラーク氏によると、排出量の削減、掘削の中止、あるいは気候の影響に対して最も脆弱な先住民族や伝統的部族への補償を求めて、数千件の気候関連訴訟が進行中である、という。
これは、先進国が規制に失敗した、あるいは規制が不十分であったことの表れであるとも言っている。
訴訟は増えているが、訴訟が気候対策の救世主になると考えるのは誤解を与えかねない、とコロンビア大学教授ジェラード氏は述べている。訴訟プロセスには時間がかかり、急速に進む温暖化を食い止めるまでに大きな成果が得られる可能性は低い。
たとえ気候訴訟に勝ったとしても、政府や企業が司法判断に従うという保証はないのである。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2023/12/cop28-breaktrhough-elevates-litigation-as-vital-route-to-climate-action/