ジャーナリストのジェラルド・フリン氏は、有効なビザと労働許可証を持っていたにもかかわらず、2025年1月5日にカンボジアへの入国を禁止された。入国管理局は、2024年2月に提出された書類に誤りがあったとして、同氏が不正なビザ申請をしたと主張、同氏をブラックリストに掲載した。
これは、カンボジアの代表的な炭素オフセットプロジェクトである南部カルダモンREDD+プロジェクトの有効性を疑問視する、フランスの放送局フランス24が制作したドキュメンタリーが11月22日に放映され、フリン氏が重要な情報源として取り上げられた直後のことだった。カンボジアの環境省とREDD+プロジェクト推進団体の野生生物同盟は、フランス24のドキュメンタリーを「フェイクニュース」として否定する声明を発表した。
フリン氏は2022年から2023年の間、ピュリッツアー・センターの熱帯雨林調査ネットワーク(RIN)フェローとして、カンボジアの刑務所を拠点とする伐採事業を明らかにし、政府高官が違法木材の密売人であること等を暴露していた。フリン氏の報道は、カンボジアの天然資源の略奪から利益を得ている政界およびビジネス界のエリートたちの正体を幾度も暴いてきた。
また、環境問題や土地の権利問題を取材していたカンボジア人ジャーナリストのチュウン・チェン氏が、 2024年12月にシェムリアップ州で射殺された。これはジャーナリストのオウク・マオ氏が2024年9月に保護地域での違法伐採の罪に問われた直後のことだった。
同国におけるジャーナリストへの嫌がらせについての情報を提供している人権団体は、2024年を通じて脅迫、威嚇、リーガルハラスメント、身体的暴力の件数が急増したと報告した。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2025/02/cambodia-denies-re-entry-to-mongabay-journalist-who-reported-on-illegal-logging/