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2025.2.17 Mongabay:違法な森林利用に対する軍事的な取り締まりは人権問題を引き起こす(インドネシア)

プラボウォ・スビアント大統領は、1月に公布された規則に基づき森林地帯で行われるアブラヤシ栽培や採掘等の違法行為の取り締まり強化を目指すと述べている。違法なアブラヤシ農園だけでも337万ヘクタールにのぼり、これはベルギーの面積よりも広い。
しかし活動家たちは、この大統領規則は森林に依存する先住民とコミュニティの苦境をさらに悪化させるだけであり、プランテーション企業はこの規則を恐れる必要はほとんどないと指摘する。
インドネシアの環境NGO、インドネシア環境フォーラム(Walhi)の森林・プランテーション担当責任者、ウリ・アルタ・シアギアン氏は次のように述べている。「この規則は、大規模な企業活動と、歴史上、森林地域として一方的に指定されたことにより土地保有権をめぐる紛争に直面してきた先住民、地元コミュニティの生業とを区別していないようだ。」この方法は、森林で自給自足の生活をしているコミュニティを犯罪者扱いするリスクをさらに高めると彼女は述べた。
活動家らは、1945年のインドネシア独立以前からコミュニティは居住していたにもかかわらず、彼ら先住民の土地権が法的に認められていないことが、リスクをさらに悪化させていると指摘する。
この大統領規則は、違法な森林活動と闘う軍の役割を監視するためのタスクフォースを設置することを定めている。同タスクフォースは軍、警察、情報機関の将校で構成され、元陸軍司令官のシャフリー・シャムスディン国防大臣が指揮を執る。これは、同じく元陸軍司令官のプラボウォ氏が森林管理を軍事化しようとしていることを示唆していると活動家らは指摘する。
民間機関による森林管理の枠組みから軍事的なアプローチへの移行は、不法侵入者とみなされるコミュニティを軍隊や警察の介入によって排除するといった人権侵害につながる可能性があると、活動家らは警告している。というのも、新規則には、不法占拠とみなされる森林地を政府が接収することが明示的に認められているのである。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2025/02/indonesias-militarized-crackdown-on-illegal-forest-use-sparks-human-rights-concerns/