●2025.4.7 Mongabay:インドネシアの泥炭地は広範囲にわたる劣化により洪水リスクが高まっている
泥炭地監視団体パンタウ・ガンブットの新しい報告書によると、インドネシアの泥炭地のほぼ半分は、野放図な開発による劣化で洪水の危険にさらされており、ベルギーの2倍の面積にあたる600万ヘクタールが極めて脆弱であると分類されている。
泥炭地は、一度劣化すると、効果的に水分を保持する能力を失う。不可逆的乾燥として知られるこの現象は、溜まった水を制御不能にし、洪水を引き起こす。
同団体の地理情報システム研究者であるジュマ・マウラナ氏によると、一度劣化した泥炭地を元の状態に戻すには、数十年、あるいは数世紀もかかる可能性があるという。
また、同団体は、インドネシア政府が泥炭地の劣化を主に火災と結びつけており、排水と地盤沈下が同様に破壊的であるという事実を見落としていると指摘している。その結果、泥炭地の水文学的崩壊への対処よりも火災予防のための政策に重点が置かれ、洪水リスクが軽減されないままになっているという。
このほか、EUDRにおける森林破壊の定義は水文学的生態系の破壊ではなく、樹冠被覆の減少に焦点を当てた国連食糧農業機関(FAO)のモデルに準拠している。その結果、泥炭地の排水、地盤沈下、洪水といった重大な生態系の劣化形態が、EUDRの評価において明確に考慮されていない。この抜け穴により、企業は深刻な環境被害を引き起こしているにもかかわらず、EUへの輸出を続けながら、プランテーションのために泥炭地を排水することが可能になっていると、同団体は述べている。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2025/04/indonesias-peatlands-face-growing-flood-risks-amid-widespread-degradation/