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The Times:森林破壊者ドラックス社はなぜエコキャッシュを得られるのか?

JPモルガンは、ドラックス社株を「一押し」だが、ドラックス社が高収益をあげている唯一の理由は、巨額の補助金だ。2021-22年の利益は3億9800万ポンドで、ビジネス・エネルギー・産業戦略省からの補助金は8億9300万ポンド。政府の介入なしに株主への配当はもちろんビジネスモデルも全く機能しない。ドラックスの最新年度の利益は5億4千万ポンドに上るが、補助金も増えていると思われる。
ドラックス社は、ヨークシャーの石炭発電所のほとんどを木質に転換した。木質は「再生可能」なので、太陽光発電などと同じく補助金が出る。大規模な発電のために年間約2700万本の木と、世界の木質ペレットの14%を使用し、これらの木は主に米ルイジアナ州とカナダから輸入される。米国とカナダでペレットに加工および輸送の過程で排出されるCO2は、英国の炭素会計には計上されない。2050年までに「ネットゼロ」を目指す政府は、何百万本もの木を伐って新しく木を植えると、その木が大気中のCO2を吸収すると主張している。
2021年暮れ、下院議長のピーター・ボトムリー卿らがドラックス社への補助金停止を政府に要求する書簡を出したが、政府の計画は、2050年までに年間1億2千万本の木を燃やすというもので、そのほとんどは輸入材である。
ドラックス社は、あらゆる場所に友人を持つ強力なロビイストだ。同社の「気候変動担当責任者」レベッカ・ヒートンは政府に助言を行う気候変動委員も同時に務め、CEOウィル・ガーディナー氏は、今月初め「世界経済フォーラムのCEO気候変動リーダー同盟に参加した」と発表している。
原文はこちら(英語)
https://bit.ly/3kCK1LE