世界最大の木質ペレット製造会社の米エンビバ(Enviva : メリーランド州)が資金繰りの悪化から、連邦破産法第11条を申請、民事再生手続きに入った。26億ドル(約4000億円)の負債を抱え、金融機関や出資企業等とのリストラ調整に入った。同社の木質ペレットは日本のバイオマス発電用に大量に輸出されており、住友商事、三菱商事、丸紅、電源開発等の日本企業が取引相手になっている。事業再建に際して、日本向けを含む既存契約の見直しが不可欠で、経済産業省の固定価格買い取り制度(FIT)に基づくバイオマス発電所の操業にも影響する可能性がある。
エンビバは、米国中南部のバージニア、ノースカロライナ、サウスカロライナ、ジョージア、フロリダ、ミシシッピの各州に年生産量約500万トンの10工場を所有・操業しており、現在、アラバマ州に11番目の工場を建設中。生産した木質ペレットは 米国内よりも、英国、EU、日本の海外バイオマス発電所や石炭火力発電の混焼用等として輸出されている。
ただ、バイオマス燃料については、生物多様性保全とのバランスが問われるほか、エンビバの各工場では、ペレット製造工場周辺での騒音、粉塵、大気汚染拡散等の環境問題が起きているほか、工場隣接のコミュニティや従業員の平等な雇用の確保等の社会的課題も指摘されている。本来は、同社の事業再生を進める場合は、こうした環境・社会課題の改善も再生条件に加えるべきだろう。
出所はこちら
https://rief-jp.org/ct4/144061
https://toyokeizai.net/articles/-/605269?display=b(関連情報)