欧州委員会は10月1日、森林破壊防止規則(EUDR)の12か月の延期を求めた。
ブラジル、インドネシア、米国など木材・農産品産業や輸出国は、煩わしい認証要件と遵守の準備時間が足りないとしてEUDRを非難している。
木質ペレット業界は24か月の延期を要求していた。
オーストリアの世界バイオエネルギー協会会長、クリスチャン・ラコス氏は、ヨーロッパでもアメリカでも、木質ペレット生産のための伐採による森林破壊は起こっていないと述べた。
同氏はさらに「米国のペレット生産の半分以上を占める製材所の副産物のトレーサビリティ(EUDRの要件)は極めて困難だ。
おがくずが複数の製材所から集められてペレット化される場合、ペレットがどの森林区画から来たのかをどうやって見分けることができるのか?」と述べた。
モンガベイを含む独立系メディアの報道は、木質ペレットの原料のほぼすべてが、業界が強く主張しているような木材廃棄物や残渣からではなく、米国などの森林で伐採された木材であることを明らかにしている。
もしそうだとすれば、EUDRの規制の下で、それらのペレットは欧州への輸入が禁止される可能性がある。
サンフランシスコの自然資源保護協議会の森林バイオマス専門家、デビー・ハメル氏は、モンガベイに対し、この業界は18カ月近く前からこの法律が施行されることを知っていたが、業界は法の遵守に向けて努力するどころか、激しい政治的反対運動を展開してきたと語った。
欧州議会による延期の承認(11月13日~14日の総会で採決が行われる予定)を見越して、ペレット業界、その他の関連企業、輸出国はより緩い修正を求め、森林活動家はEUDRのより厳しい規制を求めてロビー活動を行う戦略を立てている。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2024/10/delay-of-eu-deforestation-regulation-may-be-excuse-to-gut-law-activists-fear/