●2025.3.6 Mongabay:森林バイオマスの成長は2030年まで拡大し、熱帯林に影響を与える
国際的な森林保護団体である環境ペーパーネットワーク(EPN)のバイオマス行動ネットワークによって作成された報告書「地球の生物を焼き尽くす(Burning Up the Biosphere)」によると、森林バイオマス産業(森林を伐採して木質ペレットを製造し、発電所で燃焼させる産業)は、2030年まで急成長を続けるという。その頃には、米国、カナダ、EU、ロシアで製造されるペレットは年間3,100万トンを超え、熱帯諸国で生産されるペレットの年間生産量は1,100万トン以上に急増する可能性がある。
また、英国とEUは、2030年までに年間1,800万トン以上という膨大な量のペレットを燃焼し続けると予測されている。アジアでは、台湾が市場に参入し、日本と韓国がペレットの使用を拡大することで、さらに多く(2,700万トン)のペレットを燃焼するとみられる。
活動家らが皮肉とみている動きだが、国際エネルギー機関(IEA)は2050年までに世界全体でCO2排出ネットゼロを達成するという予測では、木質ペレットの燃焼で発生するCO2排出量を計算に入れていない。これは、明らかな炭素会計の誤りであるが、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)により承認され、 2030年までに石炭の燃焼を停止するという法的義務を必死に守ろうとする欧州やアジアの国々の政策に採用されている。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2025/03/forest-biomass-growth-to-soar-through-2030-impacting-tropical-forests/