2026.1.18 RIEF:日本のバイオマス発電でインドネシアの生物多様性が危機に。貴重な動植物種が生息する「生態系のホットスポットの島」の森林を皆伐し、木質ペレットとして日本向けに輸出
哺乳類、鳥類、爬虫類等の貴重な種が生息するスラウェシ島の熱帯雨林が、日本のバイオマス発電用に過剰伐採され、生態系の危機に直面しているとして、同国の専門家が日本政府や業界関係者に対し、警告を発した。インドネシアから呼びかけたのは、インドネシア大学保全生物学教授で環境問題に詳しいジャトナ・スプリアトナ氏。同氏によると、同島の多様な動植物種のうちでも、特に貴重なメガネザルは木に依存して生きているが、開発による森林の皆伐によって絶滅の危機に直面している、と指摘している。
地球・人間環境フォーラムによると、数年前まではインドネシアから日本への木質ペレットの輸出はほとんどなかった。しかし、2023年から増え始め、2025年(1月~10月)は35万トンと、日本の木質ペレットの輸入量全体の5%占めるようになっているという。このうち7割が、スラウェシ島北部のゴロンタロ州で開発・生産されており、すでに多くの森林が皆伐されたとされる。
スプリアトナ氏は日本の業界に対し、現地の科学者らと話し合いの場を持つべきだと訴えた。特に、他国の森林資源に依存する日本のバイオマス発電のあり方について疑問を投げかけ、産業界に改善を求めている。
地球・人間環境フォーラムは、2025年に、インドネシアから木質ペレットを輸入している阪和興業と、実際に燃料として使っている東京ガスに公開質問状を出し、改善策を求めた。
これに対し、阪和興業は「(開発区域以外は)保護地域として指定し、固有種および絶滅危惧種を保全している」などと環境保全や生物多様性の維持に取り組んでいることを強調。
東京ガスは「バイオマス発電は脱炭素化に資する重要な再エネ電源の一つ」との認識を示したうえで、「環境・地域社会への影響等をはじめとした懸念の声があることも認識している」と説明。「(われわれは)合法的・持続可能性を重視しており、インドネシア産についても(環境保全を求めた)FIT制度における事業計画策定ガイドラインを遵守した燃料であることを確認し、調達を行っていると回答したとしている。
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