全国で大規模農業プランテーションを造成するインドネシア政府のプログラムが、かつてのメガライスプロジェクトと同様に森林破壊を引き起こしていると、多くの報告が明らかにしている。泥炭地の開発を監視しているNGO、パンタウ・ガムブットの空間分析によると、中カリマンタン州で高炭素泥炭地を含む1500ヘクタール以上の森林がいわゆるフード・エステート・プログラム(以下、プログラム)のために皆伐された。このプログラムによる森林破壊は北スマトラでもみられ、NGOのカオエン・テラパックは2022年7月の現地調査では、ウルメラ村で伐採が進行中であり500haの皆伐計画があること、そしてグローバル・フォレストウォッチの空間分析では22年9月に少なくとも100haの森林が皆伐されていることが分かった。テワイバル村のある村人は、村人の同意なくプログラムのためにこれまで利用していた
森が切り開かれ、補償もなかった、と述べている。また、村人たちは、皆伐以降、洪水が深刻になっていると報告している。パンタウ・ガムブットのスタッフは、「このプログラムは泥炭地を除外していると政府が言っても、景観全体を見ると一つの流域と一つの泥炭地水門地域内にあるため、(泥炭地と)つながっている。」と言っている。
農業省は、中カリマンタンのプログラムは綿密な計画のもとで行われており、森林地・泥炭地等脆弱で保護された生態系が含まれないよう多くの地図を重ね合わせている、したがってこのプログラムで森林破壊を引き起こすことはない、と述べた。
パンタウ・ガムブットとワルヒ・BBCインドネシアが22年3月と23年2月に行った調査では、テワイバル村のキャッサバプランテーションは枯れており、放棄された掘削機も発見された。カオエン・テラパックによる別の調査では昨年、北スマトラのリアリア村でプランテーションの半分が放棄されていることが分かった。この原因は、政府が義務付けた収穫期限が作物の成長に比べて早すぎるといった技術上の
様々な問題のため、とテラパックはみている。NGOはプログラムの失敗を主張しているが、農業省はこれを否定している。
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