連邦政府職員がついに土地収奪者や違法な金採掘者の取締まりを始めた。しかし、首都ブラジリアでは、アグリビジネス議員連盟のFPA(バンカダ・ルラリスタ)が、ブラジルの環境保護と先住民族の権利の弱体化を目的とした4つの法案のうちマルコ・テンポラル(時間枠)法案等をいとも簡単に可決した。可決されたマルコ・テンポラル法案に対しルーラ大統領が拒否権を発動したが、議会がその拒否権を覆している。
残り2つの法案は、今後数か月以内に可決される見通しである。その一つは、公有地の奪取を事実上合法化する「ランド・グラブ(土地収奪)」法案と、環境ライセンスの手続きを緩和する法案である。
ルーラ政権は、農業および畜産業の生産者団体から提供された潤沢な資金を持ち組織化されたFPAの手によって立法上の重大な挫折に見舞われているのである。FPAは、ブラジルの農業・畜産業のあらゆる部門から
資金提供を受けたIPA(ペンサール・アグロ)と呼ばれる組織からのロビイストチームに支援されており、2023年3月以降、全議席の57%を占めている。
ブラジル連邦議会下院の環境議員連盟を率いるニルト・タット氏は、ルーラ政権の挫折の原因として、2022年の選挙でより保守的な候補者が選ばれたことと、ルーラ氏の大統領復帰後の国際的な圧力の低下および市民社会の監視の低下を挙げている。タット氏は、強力なアグリビジネスロビーに対抗するという困難な役割を認識しており、政権が環境問題で過半数を獲得することはないと述べており、議会に圧力をかけるために内外でより強力な市民社会運動が必要だと付け加えた。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2024/02/brazils-environmental-david-fights-congresss-agribusiness-goliath-interview-with-nilto-tatto/