ブラジル議会のアグリビジネス議員連盟は2023年を通じて、ルーラ大統領の環境政策に反対する法案を提出、いくつかの勝利を収めた。
これらの法案には、先住民族の土地請求に期限を設定するマルコ・テンポラル(時間枠)法案が含まれていた。また、上院での審査待ちとなっている他の法案には、アグリビジネス部門からの排出を免除する炭素市場の枠組みに関するものと、アマゾンのマナウスとポルト・ヴェーリョを結ぶ高速道路、BR-319の再建を促進する法案がある。これらの可決された、または可決予定の法案のほとんどは、アグリビジネスロビーによって支持されていた。
大豆、牛肉、綿花、農薬業界などのアグリビジネス大手は、ブラジル議会で「アグリビジネス」議員に対し助言や、技術上の支援、コミュニケーション支援などロビー活動を強力に行っている。こうしたロビー活動の中心となっているのがペンサー・アグロ(IPA)と呼ばれるシンクタンクである。この組織は、ロビー活動を行う顧問を議会場に常駐させ、法案を作成し、フェイクニュースの拡散など、公開討論に影響を与えるためにジャーナリストに報酬を支払っている。フェイクニュースに関しては、時間枠法案の審議中にIPAは、法案が承認されなければ一般人が
先住民族コミュニティのせいで家を失う恐れがあると述べたビデオをチャットアプリのワッツアップに流した。この情報が嘘であることは、ニュース雑誌ピアウイが、明らかにしている。
アグリビジネス議員連盟とIPAの関係は非常に緊密で、両者の事務所は同じ邸宅内にある。IPAは48のアグリビジネス協会から資金提供を受けており、これらの組織のほとんどは大手の多国籍企業から支援されている。アグリビジネス部門の監視機関、デ・オルホ・ノス・ルラリスタスの報告書によると、これらの協会、そしてIPAに最も影響を及ぼしている企業は、牛肉業界の巨大企業JBS、飼料メーカーのアグロセレス、ドイツの農薬巨大企業BASF、米国の大豆トレーダーのカーギルである。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2024/01/meet-the-think-tank-behind-the-agribusiness-legislative-wins-in-brazil/