EU欧州委員会は21日、今年末に予定している森林伐採規制(EUDR)の適用開始問題をめぐって、先にIT問題による遅れを理由に、1年間の延期案を打ち出していたが、最終的に延期は、全対象企業ではなく、規制対象の農林業商品を市場に流通させる小規模事業者に絞ることに変更する方針になった。欧州議会関係者がメディアに明かした。
それによると、欧州委が同日に開いた同問題での再審議の場で、環境担当欧州委員のジェシカ・ロスウォール(Jessika Roswall)氏と、規則の1年延期案を支持する欧州委副委員長のテレサ・リベラ(Teresa Ribera)氏との間で激しい議論になった末、EUDRは予定通り12月末(31日)に発効し、規制延期の適用対象を縮小する案に変更することになったという。
延期措置が適用されるのは、カカオ、コーヒー、木材、パーム油、家畜、ゴムなどの製品を扱う小規模・零細事業者だけに絞られる案とする。これらの小規模事業者の規制延期期間については、当初の延期案通りの1年後の2026年12月までとなる可能性があるとしているが、最終的な延期期間での合意はまだできていない模様。
また延期対象となる小規模生産者は、デューデリジェンス宣言(EU市場向け商品生産に伴う森林伐採がなかったことを証明する文書)についても簡素化された措置を適用されることになる。EUDRは本来、昨年末に施行される予定だったが、EU内外の関係業者等の反対で、すでに1年先送りされている。
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