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第15回「企業価値向上を目指すファンドによる森林資源・木材産業への投資と経営」(2017.3.22)

2017.02.20掲載
2017.03.29更新

海外では森林資源・木材産業の買収等に乗り出すファンドが多くあると言われています。一方、独特の体質が残る日本の木材業界では初のM&Aの事例として注目を浴びているのが、(株)マルホンです。国内外から原材料を仕入れ、床材をはじめとする無垢の内装材を販売する同社の経営に乗り出したアント・キャピタル・パートナーズ(株)の企業価値向上の戦略や、持続可能な木材資源獲得に向けた取り組みなどを、ファンドから派遣されているマルホンの加藤社長にお話しいただきます。

開催報告

(報告:佐々木勝教/フェアウッド・パートナーズ、FoE Japan)

photo今回は、「企業価値向上を目指すファンドによる森林資源・木材産業への投資と経営」をテーマに、無垢材にこだわった内装建材の販売をされている株式会社マルホンの代表取締役社長・加藤拓氏をお招きし、投資ファンドと木材産業の新たな動向についてお話いただきました。

静岡県浜松市に本社をもつ株式会社マルホンは、人工林・日本三大美林のひとつである天竜スギの産地を背景に、昭和初期の創業時には材木の卸業からスタートしたとのこと。豊かな森林資源に支えられ、高度な木材加工が発展した同地域は、古くから山と街のサプライチェーンが確立された土地でした。その後、国内林業の衰退・円高への移行の流れを受けて、同社も欧米材の買い付けを開始、フローリング等の無垢にこだわった内装建材の販売へと変化していきます。

講師の加藤氏は、投資を運用する企業であるアント・キャピタル・パートナーズ株式会社の一員として、同社が2015年6月にマルホン社の株式を100%譲受したことを受け、マルホン社の組織改革や営業力の強化に携わり、代表取締役社長に就任されました。長い歴史を持ち、50樹種にもおよぶ無垢材製品の取り扱いに代表されるように、もともと素晴らしいビジネスモデルを持っていた同社にとって、ファンド運用に伴う一連の改革は、これまでの組織体制をより生産的で柔軟なものへ変化させ、コンプライアンスの向上へとつながっている様子は印象的でした。

このような流れを受けて、同社が調達リスクの高い輸入材の取り扱いを止め、森林認証材・国産材を使った商品の開発・販売に着手したことは、素材の買い付けからエンドユーザーへの製品販売まで、顔のみえる関係を大切にした従来からの企業スタイルが、製品だけではなく、企業自体の価値をも向上させていくモデルとして、とても学ぶべきものが多かったです。ファンドと木材産業の双方にとって望ましい、こうしたストーリーをもつ木材製品が広く一般に受け入れられる環境づくりは、フェアウッド・パートナーズにとっても大変重要な課題であると再認識した研究部会となりました。

開催案内

【開催概要】
日 時:2017年3月22日(水)18:30~21:30(開場:18:00)
場 所: 株式会社ワイス・ワイス(〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-12-7 2F)
会 費: 3,000円(懇親会費1,000円を含む。当日受付でいただきます)

【プログラム」(内容は予告なく変更することがあります)
第1部:講演「企業価値向上を目指すファンドによる森林資源・木材産業への投資と経営」
加藤拓氏/株式会社マルホン代表取締役社長、アント・キャピタル・パートナーズ株式会社パートナー
第2部:懇親会

【講師プロフィール】
加藤拓氏
1997年慶應義塾大学法学部卒業後、アンダーセンコンサルティング(現 アクセンチュア)入社。2006年アント・ファクトリー株式会社(現アント・キャピタル・パートナーズ株式会社)入社。2014年にパートナー就任。チェッカーモータース(輸入車ディーラー)(取締役)、バリオセキュア・ネットワークス(現 バリオセキュア)(インターネットセキュリティサービス)、Casa(家賃保証業)(取締役)等において投資実行、経営支援を担当。2015年6月にマルホンの株式を前オーナーから譲受、代表取締役社長に就任。速水林業代表の速水亨氏は叔父にあたり、幼少期よりFSC R認証ヒノキの森林に親しむ。

【お問合せ】

  • 地球・人間環境フォーラム(担当:坂本)
    http://www.fairwood.jp、info@fairwood.jp、TEL:03-5825-9735
  • ワイス・ワイス(担当窓口/広報課 野村)
    http://www.wisewise.com、press@wisewise.com、TEL: 03-5467-7003

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