
第87回フェアウッド研究部会「鹿と人間、揺れ動く関係史、ニホンジカ問題の背景と対応方向」
2025.9.3 掲載
ニホンジカはかつて人々の貴重な資源でしたが、江戸後期以降、農地開発が進むにつれて害獣と見なされるようになりました。明治以降は乱獲や生息地減少により個体数が激減し、保護政策が取られるようになります。しかし、戦後の大規模伐採や造林、そして近年の温暖化や少雪化といった環境変化により、生息環境が改善し、個体数が急増しました。
加えて、集中高密度化しやすく繁殖力が高い、幅広い植物を多く採食する等の生態的特性、そして保護から管理への政策転換の遅れが重なり、農林業被害や生物多様性への影響を深刻化させてきました。また、捕獲を担う狩猟者の減少と高齢化も、この問題の解決をさらに難しくしています。
昨今の人工林の伐採・再造林の活発化は、アクセスの悪い山地で本種をさらに増やし、被害を加速していく可能性が大きいです。このため、林業活動と連携した効果的な捕獲体制の構築などが喫緊の課題と考えられます。
今回の研究部会では、森林資源の持続可能な利用を考える上でも重要となっている、野生生物保護管理の歴史と現状について、長年、丹沢山地においてニホンジカの問題に従事された山根正伸さんをお招きしてご講演いただきます。
【開催概要】
日時:2025年10月1日(水)18:00~19:30(開場:会場は15分前、オンラインは5分前)
場所:ハイブリッド(zoom×地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)東京都渋谷区神宮前 5-53-70 国連大学ビル 1F)
参加費: 1,500円(懇親会費別) *学生は無料(いずれも懇親会費別)
定員:会場25名、オンライン90名
※懇親会は会場参加者のみご参加いただけます。当日の受付の際にお申込み・お支払いを承ります。
※会議URL:お申込みいただいた方に後日ご案内いたします。
※お申込みいただいた方で希望のある場合は、当日の録画アーカイブを後日、期間限定でご覧いただくことが可能です。
【プログラム】(敬称略、内容は予告なく変更することがあります)
第1部:講演(18:00~19:30 質疑含む)
講師:山根正伸/一般社団法人自然環境管理サポートセンター理事
第2部:懇親会(会場参加者の希望者のみ、別会場にて開催予定)
【講師プロフィール】(敬称略)
山根正伸(やまね まさのぶ)/1958年、大阪生まれ。一般社団法人自然環境管理サポートセンター理事。農学博士。元神奈川県自然環境保全センター研究企画部長。丹沢山地でニホンジカの栄養生態や保護管理、自然再生の調査研究に取り組んできた。また、「地球環境戦略研究機関」派遣を契機に中ロ木材貿易など北東アジア森林保全研究も行ってきた。主な著書は「森林と野生動物」(分担執筆・共立出版)、「丹沢の自然再生」(分担執筆・日本林業調査会)、「ロシア森林大国の内実」(編著・日本林業調査会)、「モノの越境と地球環境問題 : グローバル化時代の「知産知消」」(分担執筆・昭和堂)など
【お申込み】
お申し込みフォーム(https://fw251001.peatix.com)よりお申し込みください。
フォームがご利用できない場合、「第87回フェアウッド研究部会参加希望」と件名に明記の上、1)お名前、2)ふりがな、3)ご所属(組織名及び部署名等)、4)Eメールアドレス、5)参加方法(会場またはオンライン)、6)(会場参加の場合)懇親会の出欠を、メールにてinfo@fairwood.jp まで送付ください。
【主催】
国際環境 NGO FoE Japan、地球・人間環境フォーラム、佐藤岳利事務所
【共同企画・実施】
一般社団法人自然環境管理サポートセンター
【後援】
マルホン
【助成】
緑と水の森林ファンド
【問い合わせ】
FoE Japan(担当:佐々木)
http://www.foejapan.org、info@foejapan.org
地球・人間環境フォーラム(担当:坂本)
http://www.fairwood.jp、info@fairwood.jp
※テレワーク推進中のため、メールにてお問合せお願いします。