フェアウッド・マガジン 世界のニュース 第258号 2026年2月5日
11月に発生した大規模な洪水と土砂崩れにより、甚大な被害に見舞われたインドネシアでは、森林開発に携わった企業の責任が追及され事業許可の取り消しに至りました。保全と回復に向けた動きが進むのか、注目されます。
国際自然保護連合(IUCN)は微生物の保全に取り組むことを発表しました。目に見えない小さな生物たちが地球の健康と生態系にとって重要な役割を果たしていることを私たちはもっと意識する必要があるのではないでしょうか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【森林減少】
●2026.1.22 時事ドットコムニュース: プラボウォ大統領、28社の許可抹消 スマトラ環境破壊
インドネシアのプラボウォ大統領は19日、スマトラ島で発生した豪雨による洪水や地滑りなどの災害について、発生の一因となった環境破壊を引き起こしたとされる28社の許可を抹消することを決定した。この中には複合企業最大手アストラ・インターナショナル傘下の鉱業アジンコート(アジャンクール)・リソーシズやパルプ大手トバ・パルプ・レスタリなどの有力企業も含まれている。
28社のうち22社が林業関連で、各社の森林保有面積は計101万592ヘクタールに達する。残る6社は農園や鉱業、電力などの非林業関連となっている。
詳しくはこちら
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026012200419&g=jnb
●2026.1.19 Mongabay:インドネシア、致命的な洪水と土砂崩れとの関連を理由に6社を提訴
インドネシア環境省は、2025年11月にサイクロン・セニャールによって引き起こされた致命的な洪水と地滑りに関連して、6つの企業に4兆8000億ルピアの環境損害賠償を求めている。
インドネシア環境省は、2025年11月にスマトラ島で発生したサイクロン・セニャールによる壊滅的な洪水と土砂崩れで1100人以上が死亡したことを受け、同地域で事業を展開する70社を対象に企業活動と災害の関連性を調べる調査を開始した。
今週、環境省の法執行部門は調査の予備的な結果を発表した。報告書によると、6つの企業が北スマトラ州の流域に損害を与え、特にバタン・トル流域とガロガ流域周辺の熱帯雨林2,516ヘクタールを伐採した疑いがある。
同省がイニシャルのみで特定した6社は、NSHE、AR、TPL、PN、MST、TBSである。同省によると、これらの企業は金鉱、水力発電、パーム油、産業造林など、多岐にわたる分野で事業を展開している。
これらの企業には、地元コミュニティとの土地紛争に巻き込まれている複合企業エイプリルの関連会社でパルプ材生産者のトバ・パルプ・レスタリ社、タパヌリオランウータンの生息地に水力発電ダムを建設している中国が支援するノース・スマトラ・ハイドロ・エナジー社、オランウータンの生息域内でマルタベ金鉱山を運営する英国所有のアジンコート・リソーシズ社が含まれると広く理解されている。
キャンペーン団体「マイティ・アース」は、同団体独自の空間分析により、バタン・トル地域の産業開発が地滑りの危険性を高めているとの懸念が裏付けられていると述べた。
訴訟の対象となっている2社(ノース・スマトラ・ハイドロ・エナジーとアジンコート・リソーシズ)のマイティ・アースによる衛星画像解析では、サイクロン・セニャールの数週間後に大規模な地滑りが発生したことが示された。「両プロジェクトとも、水力発電や金鉱採掘には全く適さない急斜面の丘陵地帯にまで拡大しています」と、マイティ・アースの森林資源担当責任者、アマンダ・ホロウィッツ氏は語っている。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2026/01/indonesia-sues-6-companies-over-alleged-links-to-deadly-floods-landslides/
●2026.1.14 Mongabay:インドネシア、取り締まりで400万ヘクタールの農園と鉱山用地を接収と発表
インドネシア政府は、公式に森林として指定した地域内で農園造成や鉱物の採掘がおこなわれていた全国400万ヘクタール(スイスとほぼ同じ面積)以上の土地を接収した。
現在も行われている取り締まりは、森林地域での違法行為に対するこれまでで最も徹底した取り締まりであり、2025年1月にプラボウォ大統領によって設置され、軍、警察、検察、複数の省庁が参加する対策本部によって行われている。
当局者らによると、当初、対策本部は2025年に100万ヘクタールの土地を接収することを目標としていたが、活動開始から10カ月以内に当初の目標を400%以上、上回ったことになる。
これまでのところ政府は、接収した森林地域の総面積と、森林地域で違法に操業している企業から徴収した罰金の額のみを公表している。その額は、アブラヤシ企業20社とニッケル採掘企業1社からの行政制裁金で、約2兆3000億ルピア(約1億3600万ドル)である。
これらが何に使われるのか、そして接収された農園や鉱山自体がどうなるのかは依然として不明である。実際には、それらの農園の大部分(約170万ヘクタール)は、国営パーム油会社アグリナス・パルマ・ヌサンタラに管理を委ねられている。その結果、同社は小規模な国営企業から土地面積で世界最大のパーム油会社へと急速に拡大した。
また、サウィット・ウォッチの事務局長アフマド・スランボ氏は、大統領令に基づく対策本部の任務の一つとして生態系の回復が明記されていると指摘した。接収された土地の大半がアグリナスに移管されたため、生態系回復のために指定されている地域がどこなのか、あるいは指定されているのかさえ不明だとスランボ氏は付け加えた。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2026/01/indonesia-says-4-million-hectares-of-plantation-mining-lands-reclaimed-in-crackdown/
●2026.1.7 Mongabay:インドネシア、スマトラ島洪水災害を受けて大規模な調査を開始
サイクロン・セニャールがスマトラ島全域で1,100人以上の命を奪った後、インドネシア政府は、異常気象だけでなく、森林伐採や土地利用の変化が洪水や土砂崩れの規模を拡大させたことを認めた。
ハニフ環境相は、2025年12月23日、最も深刻な被害を受けたアチェ州、北スマトラ州、西スマトラ州を対象に、(1)迅速な災害影響評価、(2)州のゾーニングの見直し、(3)採掘およびインフラ部門の100社以上の企業に対する調査、という3つの対応策を発表した。
このうち、(2)ゾーニングの見直しでは、既存のゾーニングがインドネシアの戦略的環境アセスメント(KLHS)の枠組みに準拠しているか、また、文書上は準拠していても、壊滅的な影響を防げなかったのかどうかを評価する。
(3)企業の調査については、北スマトラ州ではすでに始まっており、バタン・トル・エコシステム内外で操業している企業8社は、政府の調査が終わるまで操業停止を命じられている。バタン・トルには、タパヌリオランウータンなど、絶滅が危惧されている種が生息している。調査対象となっている企業には、パルプ材生産者のトバ・パルプ・レスタリ、水力発電開発業者のノース・スマトラ・ハイドロ・エナジー(NSHE)、金鉱山操業者のアジンコート・リソーシズなどがある。
ハニフ環境相は、「調査は最大1年かかると予想されるが、主要事例の調査は3月までに完了する予定であり、当局は、刑事手続、民事訴訟、行政処分を通じて措置を講じる」と述べた。
グリーンピースのインドネシア担当ディレクター、レナード・シマジュンタク氏は、「アチェ州、北スマトラ州、西スマトラ州のゾーニングは、森林地域を保全区域ではなく開発区域に指定しており、大規模な森林転換を合法化するものとなっており、重大な欠陥があります。
ゾーニングや許可証の発行を通じて法的に認可された開発による環境破壊は、これらの災害の根本原因として、違法な破壊よりもはるかに大きな規模になっている可能性があります。中央政府には州のゾーニングを見直す権限がありますが、実際に見直すかどうかは不透明です。しかしそれでも慎重に楽観視する必要があります。」と述べた。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2026/01/indonesia-launches-sweeping-environmental-audits-after-sumatra-flood-disaster/
●2026.1.6 Mongabay:サイクロン・セニャールの後、インドネシアは開発が災害の規模を拡大したかどうかを調査している
政府統計によると、2025年11月下旬に発生した、稀に見る熱帯低気圧「セニャール」により、少なくとも1,178人が死亡、約100万人が避難を余儀なくされ、インドネシアにおける近年最悪の自然災害の一つとなった。
気候学者や環境研究者らは、壊滅的な被害の規模は異常気象だけでは説明できないと指摘する。彼らはまた、数十年にわたる森林伐採、土地の開墾、景観の改変により、スマトラ島の高地流域全体の自然緩衝機能が弱まっているとも指摘している。
バタン・トルは、スマトラ島で最も手つかずの森林が残っている地域であり、絶滅危惧種タパヌリオランウータンの唯一の生息地であるが、この地域の大部分は、金鉱山、大規模水力発電所、パルプ向け産業造林などのために開発が許可されている。
政府は、流域で操業している8社を調査中であるが、複数の調査から、大規模な森林伐採によって斜面の安定性が損なわれ、水循環システムが変化し、豪雨の影響を悪化させていることが示唆されている。
調査対象となっている企業の一つは、バタン・トル川に大規模水力発電所を建設中のノース・スマトラ・ハイドロ・エナジー(NSHE)社である。中国が支援するこのプロジェクトは、急峻で地滑りが発生しやすい地域にあり、また、タパヌリオランウータンにとって唯一の自然回廊と重なっていることから、長年にわたり論争を巻き起こしてきた。
環境団体によると、2017年以降、このプロジェクトの開発により、地質学的に不安定であることが知られている斜面を含む535ヘクタール以上の森林が伐採された。
ジャカルタに拠点を置く経済法研究センター(CELIOS)の調査によると、インドネシアが災害対策に割り当てている国家予算はわずか0.03%程度で、この数字は年々減少している。
「災害が発生した時のために、国家は構造的に準備できていない」と、CELIOSの研究員ナイルル・フダ氏は述べた。「復興自体に数十年かかることもあり得る。」
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2026/01/after-cyclone-senyar-indonesia-probes-whether-development-amplified-scale-of-disaster/
●2025.12.18 Mongabay:サイクロンで壊滅的な被害を受けたタパヌリオランウータンは、ゾーニングにより生息地の喪失に直面している
インドネシア北スマトラ州で提案されているゾーニングの見直しにより、バタン・トル・エコシステム西部地域の3万9000ヘクタールが法的保護から外され、絶滅の危機に晒されているタパヌリオランウータンの最後の生息地が脅かされる可能性がある。
地元当局により提案されたこの見直しは、強力なサイクロンが洪水と土砂崩れを引き起こし、数十頭のタパヌリオランウータンが死亡または避難を余儀なくされ、数千ヘクタールの森林が深刻な被害を受ける数週間前に提案された。
ゾーニングの見直しにより「戦略地域」の区画指定が解除されれば、近隣のマルタベ金鉱山の拡張計画を含む鉱業および農園開発計画に対する監視が弱まる。オランウータン情報センター(OIC)創設者パヌト・ハディシスウォヨ氏は、この計画により、タパヌリオランウータンが最も多く生息している西部地域が壊滅的な打撃を受けるだろうと語った。
米国のキャンペーン団体、マイティ・アースの森林産品担当責任者アマンダ・ホロウィッツ氏は、西部地域が最近の洪水と土砂崩れの被害を最も受けたことを考えると、この提案は特に憂慮すべきものだと述べた。
「もしこ計画が実行されれば、生態学的災害となり、タパヌリオランウータンという種はまたしても終焉に近づくことになるでしょう。なぜなら、スマトラ島北部を襲った壊滅的なサイクロンによる地滑り、倒木、洪水で最大54頭が影響を受け、相当数の個体が死亡した可能性があるからです」と彼女は語った。
自然保護活動家は、個体数の減少を防ぐため緊急保護策と保全措置の拡大を求めている。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2025/12/tapanuli-orangutan-devastated-by-cyclone-now-faces-habitat-loss-under-zoning-plans/
【森林保全・森林再生】
●2026.1.30 Mongabay:研究者ら、窒素の増加が熱帯林の成長を加速させることを発見し、驚嘆する
再生中の熱帯林は空気中の二酸化炭素を吸収するが、土壌中の窒素不足によりこのプロセスが遅くなる可能性があることが、ネイチャー・コミュニケーションズ誌の新たな研究で明らかになった。
科学者たちは栄養塩の供給が樹木の成長をどのように制限するかをまだ十分に理解していない。森林が伐採されると撹乱された土壌中の窒素は蒸発したり流失したりする可能性があり、多くの熱帯土壌ではリンも不足していると考えられている。
パナマで行われた大規模な実験により、土壌中の窒素不足が熱帯林の再生の初期段階を阻害することが明らかになった。研究者らが伐採直後の土地に窒素を投入したところ、樹木の成長速度はほぼ2倍に増加した。
また、窒素制限は10年後には緩和され、30年生または成熟した森林では窒素の添加による追加の利点は見られなかったことも判明した。
さらに、リンを追加しても木の成長は促進されないことも判明した。
しかし、研究者らは再生中の森林への肥料の施用には警鐘を鳴らしている。研究論文の著者、ケアリー生態系研究所の生態学者であり、リーズ大学准教授のバッターマン氏によると、窒素肥料は、汚染から亜酸化窒素の排出まで、あらゆる悪影響を伴うという。代わりに、窒素固定樹木が天然生林に存在するかを確かめるか、または、森林再生プロジェクトで利用することを推奨している。
もう一つの提案は、例えば工場により汚染されて窒素が多い地域に木を植えることである。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2026/01/blew-us-away-researchers-find-nitrogen-boost-spurs-faster-tropical-forest-growth/
●2026.1.21 Mongabay:IUCN、地球上の生命にとって不可欠な、危機に瀕した微生物を保護するためのグループを設立
目に見えない数兆個の微生物は、私たちの体内に生息し、土壌で育ち、樹木に住み、地球の健全性に不可欠な存在である。しかし、地球上の生命の基盤として、これらの生物多様性に富んだ微生物群が果たす計り知れないほど大きな役割は、しばしば見過ごされてきた。そして、微生物が直面する脅威、特に人間の行動による脅威もまた、見過ごされてきた。
国際自然保護連合(IUCN)が新たに発足させた種の保存委員会は、微生物学と微生物種への深刻な脅威に重点的に取組む。
IUCN専門家グループの共同議長であり、サウジアラビアのキング・アブドラ科学技術大学で海洋科学プログラム長を務めるラケル・ペイショト氏は「微生物について語らずして、気候変動や生物多様性の喪失について語ることはできません。なぜなら、生態系を健全に機能させ続けるためには微生物が必要であり、また生物が機能し続けるためには微生物が必要だからです」と言う。
新たな専門家グループは、生息地の破壊やその他の人間活動によって、脅威にさらされている微生物生態系の保全計画を策定する予定である。また、微生物に特化したレッドリストを作成し、絶滅危惧微生物を特定・研究し、保全戦略を策定する予定だ。
微小な微生物の存在、あるいはその欠乏は、地球の重要なプロセスに計り知れない影響を与え、人間による害を相殺することもある。たとえば、オーストラリアの森林で行われた最近の論文では、樹皮に生息するこれまで知られていなかった微生物群が、大量のメタンに加え、一酸化炭素や揮発性有機化合物(VOC)といった人体に有害な汚染物質を吸収していることが明らかになっている。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2026/01/iucn-launches-group-to-conserve-at-risk-microbes-vital-to-life-on-earth/
【バイオマス】
●2026.1.28 RIEF:昨年末に佐賀県唐津港で火災を起こしたバイオマス発電所用木質ペレットの輸入元はベトナム。火災は陸揚げ前の貨物船上とされたが、すでに陸揚げされた分からも出火との指摘も
昨年末に、再エネ電力大手のレノバが、佐賀県唐津港に輸入したバイオマス発電所の燃料となる木質ペレットが火災を起こした事故で、同燃料の輸入先はベトナムであることがわかった。ベトナム産のペレットは、過去に認証偽造で不純物混在による火災事故が各地のバイオマス発電所で発生した経緯がある。また、今回の火災は燃料を陸揚げする前に貨物船の船上で起きたとされているが、関係者によると、すでに荷下ろしした積み荷からも出火していたという。積み荷の木質ペレットは、輸入した日本商社が韓国に転売する予定だったとされる。
港の接岸区域に山積みされた積み荷のペレットは、燃えたことと、消火のための水をかけられたことから、一部ではボロボロのダスト状になったとしている。
詳しくはこちら
https://rief-jp.org/ct12/163921
●2026.1.23 Clean Technica:EU、害を及ぼす大豆バイオ燃料を段階的に廃止へ
EUは、二酸化炭素排出量と生物多様性の喪失の大きな原因である間接的な土地利用変化(ILUC)に関連するバイオ燃料の使用を抑制するため、大豆の段階的廃止を実施する予定であることが、EU委員会が発表した新たな報告書で明らかになった。
T&Eのバイオ燃料キャンペーン担当者、キアン・デラニー氏は次のように述べている。「大豆バイオ燃料は、化石燃料ディーゼルの2倍の地球環境負荷をもたらす。段階的に廃止していく方向性は正しい。・・・しかし、サトウキビのように、土地利用の変化のレベルが高い他の原料は、基準値をわずかに下回っている。つまり、これらの原料は引き続きEUの再生可能エネルギー目標に計上できるということだ。食料および飼料作物由来のバイオ燃料は賢明ではない。燃焼による燃料生産から脱却すべき時が来ている。」
原文はこちら(英語)
https://x.gd/7vrro
●2026.1.20 日本経済新聞:中部電力、鳥取・米子のバイオマス発電撤退 火災の復旧費かさむ
中部電力は20日、大手リース会社の三菱HCキャピタルや東急不動産などと手掛ける鳥取県米子市のバイオマス発電の事業から撤退すると発表した。2023年に発生した火災により復旧や再発防止策に要する費用がかさみ、事業継続が困難と判断した。撤退に伴う損失は100億円程度を見込む。
詳しくはこちら
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD207H00Q6A120C2000000/
●2026.1.18 RIEF:日本のバイオマス発電でインドネシアの生物多様性が危機に。貴重な動植物種が生息する「生態系のホットスポットの島」の森林を皆伐し、木質ペレットとして日本向けに輸出
哺乳類、鳥類、爬虫類等の貴重な種が生息するスラウェシ島の熱帯雨林が、日本のバイオマス発電用に過剰伐採され、生態系の危機に直面しているとして、同国の専門家が日本政府や業界関係者に対し、警告を発した。インドネシアから呼びかけたのは、インドネシア大学保全生物学教授で環境問題に詳しいジャトナ・スプリアトナ氏。同氏によると、同島の多様な動植物種のうちでも、特に貴重なメガネザルは木に依存して生きているが、開発による森林の皆伐によって絶滅の危機に直面している、と指摘している。
地球・人間環境フォーラムによると、数年前まではインドネシアから日本への木質ペレットの輸出はほとんどなかった。しかし、2023年から増え始め、2025年(1月~10月)は35万トンと、日本の木質ペレットの輸入量全体の5%占めるようになっているという。このうち7割が、スラウェシ島北部のゴロンタロ州で開発・生産されており、すでに多くの森林が皆伐されたとされる。
スプリアトナ氏は日本の業界に対し、現地の科学者らと話し合いの場を持つべきだと訴えた。特に、他国の森林資源に依存する日本のバイオマス発電のあり方について疑問を投げかけ、産業界に改善を求めている。
地球・人間環境フォーラムは、2025年に、インドネシアから木質ペレットを輸入している阪和興業と、実際に燃料として使っている東京ガスに公開質問状を出し、改善策を求めた。
これに対し、阪和興業は「(開発区域以外は)保護地域として指定し、固有種および絶滅危惧種を保全している」などと環境保全や生物多様性の維持に取り組んでいることを強調。
東京ガスは「バイオマス発電は脱炭素化に資する重要な再エネ電源の一つ」との認識を示したうえで、「環境・地域社会への影響等をはじめとした懸念の声があることも認識している」と説明。「(われわれは)合法的・持続可能性を重視しており、インドネシア産についても(環境保全を求めた)FIT制度における事業計画策定ガイドラインを遵守した燃料であることを確認し、調達を行っていると回答したとしている。
詳しくはこちら
https://rief-jp.org/ct7/163734?ctid=
●2026.1.7 Columbia INSIGHT:最新情報:ワシントン州の木質バイオマスプロジェクトが保留
コロンビア川木質バイオマスエネルギー輸出プロジェクトは、作業が停滞している模様だ。英国に拠点を置くドラックス・グループは先月、木質ペレットの需要低迷による生産能力拡大の減速を受け、同施設の計画を一時停止すると発表した。
ワシントン州ロングビューに建設されるドラックス社の工場は、年間最大45万トンの木材を処理し、太平洋岸北西部の木材からペレットを生産し海外の発電所に輸出する予定だ。
2024年6月、ドラックス社はロングビュー・プロジェクトの建設を予定より早く開始したとして罰金を科せられて以降、大規模な工事は行われていないようだ。
ドラックスによれば「短期・中期的には、中断しているロングビュー・プロジェクトを含め、追加設備への投資は予定していない」という。
ロングビューのペレット工場は現在停止中だが、復活する可能性がある。ドラックス社は、同工場の建設作業を再開するか、プロジェクトを他社に売却するかを決定する可能性がある。
原文はこちら(英語)
https://x.gd/n5OXF
【パーム油問題】
●2025.12.30 Mongabay:泥炭地に造成されたアブラヤシ農園の排水路はメタン発生源として見落されている:研究
最近の研究によると、農業用に泥炭地から水を排水する水路は、メタンを含む温室効果ガスの重要な発生源であるが、しばしば見落とされている。
エストニア、タルトゥ大学の環境技術教授、カサック氏らは最近の研究論文のなかで、これらの排水路からのメタンガスが、調査対象のアブラヤシ農園1ヘクタール当たりから排出される温室効果ガス総量の10%を占めていること、これらの排水路が占める面積は、農園全体の4%に過ぎないことについて述べている。
「この研究結果は、排水された泥炭地からの(温室効果ガス)排出量に関するこれまでの推定値が、排水路からの寄与を過小評価していた可能性が高いことを意味しているという点で、重要である。排水路は、世界の炭素会計ではしばしば無視されている。」とカサック氏は述べた。
10月23日付の科学誌「サイエンティフィック・リポート」に発表された研究チームのこの調査結果は、排出量のバランスをさらに深く理解するため、そしてより広くは、泥炭地の排水による環境コストを深く理解するために、さらなる研究が必要であることを指摘している。原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2025/12/ditches-on-peatland-oil-palm-plantations-are-an-overlooked-source-of-methane-study/
【コミュニティ】
●2026.1.29 Mongabay:インドネシア、先住民の同意なしにパプア米大規模プロジェクトの最終許可を迅速化
先住民の権利擁護活動家らは、パプアでの大規模な米栽培プロジェクトのために32万8000ヘクタールの耕作権を付与するというインドネシア政府の決定を非難し、大規模な栽培許可に通常必要とされる何年もかかる手続きと比べて、最終的な土地利用許可が異例の速さで発行されたと警告した。
このプロセスは、先住民コミュニティの自由意思による事前の十分な情報に基づく同意(FPIC)なしに行われているとも批判されている。
HGU(耕作権)というこの許可証は、大規模な農業事業を始める前に必要な、最後かつ最も決定的なライセンスである。
活動家らは、このプロジェクトがインドネシアの他地域で過去に起きた食糧農園の失敗を彷彿とさせ、南パプアで大規模な森林伐採、土地の収奪、社会紛争を引き起こす恐れがあると警告している。
インドネシア環境フォーラム(WALHI)キャンペーン部門責任者のウリ・アルタ・シアギアン氏によると、政府はFPICの原則を無視することでこれを迅速に進めることができたという。「現地の先住民コミュニティは依然としてこのプロジェクトを拒否しています。それでもHGUは認められました」と彼女は述べた。「つまり、このプロセスは強制されたということです。これはもはや単なる不法行為ではなく、パプアの先住民コミュニティに対する国家による暴力の一形態です。」
一方、南パプア州地域開発計画局長のウルミ・リストィアニンシ・ワイエニ氏は、この空間計画には食料農園計画を指す国家戦略プロジェクト(PSN)が含まれているため、中央政府が定めた手順に従って起草されたと述べた。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2026/01/indonesia-fast-tracks-final-permit-for-papua-rice-megaproject-without-indigenous-consent/
●2026.1.26 Mongabay:北スマトラの亜鉛鉱山の建設中止を求める農村女性の長い闘い
インドネシアのダイリ県の農村女性のグループは、亜鉛鉱山会社に対する法的挑戦の最前線に立ち、最終的に裁判で勝訴し、2025年5月にインドネシアで法的先例を確立した。
11人の村人と共に女性たちは20年ものあいだ鉱山会社に異議を唱え、訴訟を主導し、最終的に勝訴した。環境省が判決を履行し、 2025年5月に同社の環境許可を取り消したことは、法的に初めての出来事だった。
中国非鉄金属工業の海外工程建設有限公司の支援を受ける開発業者デイリ・プリマ・ミネラル社は、環境林業省が以前の許可を取り消したことを受けて、現在、新たな許可を申請しており、村人を含む全構成員の承認を得られることを期待している。
しかし、地元の活動家によると、彼らは鉱山建設に抵抗し続けるとのことだ。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2026/01/the-long-struggle-of-women-farmers-to-halt-a-zinc-mine-in-north-sumatra/
●2025.12.11 IDEAS FOR GOOD:“森を守る者たち”のCOP30。気候危機の最前線で、先住民族が結束【現地レポート】
2025年11月10日から22日、ブラジル北部のベレンでCOP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)が開催された。
今回のCOP30には、世界各地からの参加も含め、およそ5,000人の先住民族がベレンに集まった。さらに、国連が管理する交渉エリアであるブルーゾーンには、900人の先住民族が公式登録された。これは、これまで最多だったドバイCOP28(約350人)の2倍以上にあたる。
COP30で先住民族が存在感を示したのは、「数」だけではなかった。政策決定の現場に、主体として切り込んでいく力を獲得しつつあることだ。
その象徴が、ブラジル先住民族省が外務省、ブラジル外交官学校と協力して立ち上げた若手育成プログラム「Kuntrai Katu(クンタリ・カトゥ、トゥピ系の言葉で「よく話す者/正しく話す者」)」である。全国から選ばれた30人の若い先住民族リーダーたちは、1年以上かけて政策交渉の基礎を学んだ。その多くは大学・大学院で公共政策や人権を学び、英語・ポルトガル語・自民族語を自在に行き来しながら政策文書を読み込み、国際交渉の現場で発言できる力を身につけた。
COP期間中、彼らはブラジル代表団の交渉官に同行し、リアルタイムで交渉を追った。そして夜になるとAldeia COP(COP村)に戻り、その日の交渉内容を仲間たちにブリーフィングする。Aldeia COPの閉会式で、ソニア先住民族省大臣は次のように語った。
「クンタリ・カトゥの若者たちは、交渉のどこに動きがあり、どこが行き詰まっているのかを伝えてくれました。私たちはその情報をもとに外務省や環境省と連携し、交渉文書に“私たちの言葉”を一つひとつ加えていったのです。最終文書の中に先住民族の存在と権利がきちんと反映されたのは、この若者たちの働きによって実現したことです」
ブラジルで先住民族の権利が憲法に明記されたのは1988年。COPが始まったのはその7年後。この30年、両者はゆっくりと重なりながら前へ進んできた。
クンタリ・カトゥに参加する34歳のカマユラ族の女性Kaianaku Kamaiuraが強調していたのは「文化もまた、気候の議論の中心にあるべき」いう点だ。森を「炭素を蓄える場所」というモノとしてだけ見るのは不十分である。そこには人がいて、歴史があり、命の営みがある。この視点が欠ければ、森は本質的には守れない。そして、文化こそが他者と分つものであり、強みになるとも訴える。最終文書で「文化」の扱いはまだ不十分。それでも、今回のCOPで「文化」が初めて真正面から議題に上った──その事実を、彼女は大きな前進と呼んだ。
詳しくはこちら
https://x.gd/FqAUI
●2025.12.10 Mongabay:希望、連帯、そして失望:COP30の先住民代表にとってお馴染みの組み合わせ
国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)の交渉全体を通じて、先住民代表らはよくあるパターンを説明した。彼らは会議の場には招かれたが、意思決定の中心には招かれなかった。
この隔たりは、COP30の主要な成果である「グローバル・ムティラオン」にも顕著に表れている。先住民族は前文には登場するものの、各国がどう行動し報告すべきか指示する本文には登場していない。
力の不均衡は別の面でも顕著だった。それは、化石燃料ロビイストの存在だ。
COP30には、石油、ガス、排出権取引業界と関係のあるロビイスト約1602人が認定された。これは国連の気候変動の協議史上、最多の化石燃料ロビイスト数であり、その数は先住民代表の数をはるかに上回った。
またCOP30では、2030年までに森林破壊に歯止めをかけるための拘束力のあるロードマップが提示されると予想されており、これはブラジルの議長国としての最重要課題であった。しかしブラジルが化石燃料の段階的廃止に向けたロードマップと関連付けたことで、この構想は交渉中に頓挫した。このロードマップはサウジアラビアをはじめとする産油国からの強い抵抗に遭い、それが頓挫すると森林ロードマップも撤回された。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2025/12/hope-solidarity-disappointment-a-familiar-mix-for-indigenous-delegates-at-cop30/
●2025.12.8 Mongabay:新たな金融ツールがアマゾンの伝統的なバイオエコノミープロジェクトを後押し
NGO、資金提供者、金融機関、地域団体が連携し、2024年に設立されたブラジル復興・バイオエコノミー金融連合(BRB FC)は、先住民族と伝統的なコミュニティ主導の企業を支援するため、2030年までに100億ドルを動員することを目指している。アマゾン熱帯雨林、セラード・サバンナ、半乾燥地帯のカーティンガ、大西洋岸の森林、最大550万ヘクタールの劣化した土地をコミュニティが回復できるよう支援する。
この連合には、公共セクター、民間セクター、慈善団体、市民社会組織など22の組織が参加しており、その中には国営のブラジル銀行、世界経済フォーラム、世界銀行も含まれている。
BRB FCの中核メンバーである気候と社会研究所(iCS)の所長、マリア・ネット・シュナイダー氏は「再生可能な劣化した土地は少なくとも1億ヘクタールある。そして、バイオエコノミーには、現存する森林の価値を高めながら、収入を生み出し、地域のバリューチェーンを構築できるという大きな可能性がある。」と述べた。
従来型金融システムでは、地域の統治や現実と衝突する厳格で中央集権的な要件のために、草の根の取り組みが排除されることがよくある。しかし従来の金融モデルとは異なる地域資金は、既に小規模ながら存在している。先住民族が運営する基金であるポダアリや、フンド・カーサ・ソシオアンビエンタルはその例である。BRB FC は、こうした組織からの資金が先住民族や伝統的コミュニティにより効率的かつ直接的に届くよう、資金調達を可能にし拡大させることに取り組んでいる。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2025/12/new-financial-tools-boost-traditional-bioeconomy-projects-in-the-amazon/
【日本は今!】
●2026.1.30 時事ドットコム:岡山県産CLT材を活用した新社屋の建築物LCA算定により、環境価値を「可視化」
2025年6月に竣工したセリオ株式会社の新社屋における「建築物 LCA(ライフサイクルアセスメント)」を算定。その結果、岡山県産の認証木材(CLT)の積極活用や省エネ設計により、当ビルの GHG(温室効果ガス)排出量は74.5kg-CO2e/平方メートル 年となり、比較対象のオフィスビル事例(約125kg-CO2e/平方メートル 年)対比で約40%の抑制に成功していることが判明した。
詳しくはこちら
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000041.000166651&g=prt
●2026.1.20 新建ハウジング:学校施設で木材利用率79%。国産材6割超、CO2削減効果
文部科学省は1月14日、2024年度に全国の学校施設の木材利用状況を調査し、結果を公表した。調査によると、新築・増改築された515棟のうち408棟(79.2%)で木材を使用しており、木造は90棟(17.5%)、非木造の内装木質化は318棟(61.7%)だった。
詳しくはこちら
https://www.s-housing.jp/archives/409221
●2026.1.14 産経新聞:「今やらないでいつやる」国産広葉樹、木製家具の産地で活用進む 山林保全や雇用創出も
岐阜県高山市や北海道旭川市といった木製家具の産地を中心に、国産広葉樹を活用する取り組みが進んでいる。かつて広葉樹は薪炭や家具に重宝されたが、化石燃料の普及で伐採量が激減。家具でも調達しやすい輸入材が主役となった。樹林が長年放置された結果、山は荒れて獣害が目立つ。山林保全や雇用創出の観点からも広葉樹を使う機運が高まっている。2025年11月下旬、高山市の家具メーカー、シラカワの工場に、木材流通に携わる官民の約70人が集まった。
詳しくはこちら
https://www.sankei.com/article/20260114-FVEQAJUZ6JITNG6G2NMVKEPFD4/
●2026.1.13 朝日新聞:大手商社傘下の元部長逮捕 ソーシャルレンディングで7億円詐取容疑
バイオマス発電所の事業資金名目で、金融業者から融資金7億円をだまし取ったなどとして、警視庁は13日、鉄鋼商社「伊藤忠丸紅住商テクノスチール」(テクノ社、東京都千代田区)の元土木建材部長、桜井宏至(57)=東京都港区=と職業不詳の瀬戸智範(73)=千葉市=の両容疑者を詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕した。
捜査関係者などによると、被害を受けた金融業者は「ソーシャルレンディング(SL)」を展開するクラウドバンク・フィナンシャルサービス(CF社)。SLは一般的に、投資家から集めたお金を企業に融資し、返済などを受けて投資家に分配・償還する仕組み。
詳しくはこちら
https://www.asahi.com/articles/ASV1F04HDV1FUTIL00CM.html
●2026.1.10 朝日新聞:「林野火災警報・注意報」運用開始 火の使用控える努力義務
2025年2月、岩手県大船渡市で大規模な林野火災が発生したことを踏まえ、国は26年1月から、林野火災予防を強化した。乾燥が続くと、自治体が林野火災注意報を発表。気象庁などは臨時の記者会見を開く。林野火災の原因の多くは、たき火やたばこなど人為的なもの。危険性を市民に伝えることで、大規模な林野火災を防ぐ狙いがある。
詳しくはこちら(一部有料会員記事)
https://www.asahi.com/articles/ASV1B2JHSV1BUTIL01GM.html
●2026.1.10 時事ドットコム:森林保全、企業の貢献「見える化」 国有林で取り組み促進―林野庁
林野庁は、森林保全に取り組んだ企業が環境面でどれだけ貢献したかを数値化する仕組みを導入する。自治体や企業などが「造林者」となって国有林を手入れし、伐採した木の販売収益を国と分ける「分収造林」で実施。貢献度合いの「見える化」により、企業が顧客や市場から評価を受けやすくすることで、森林保全への企業参加を促す狙い。
詳しくはこちら
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026011000188&g=soc
【中国情報】
●2026.1.27 税関総署:2025年の中国の木材輸入量は6555.1万立方メートルで、前年比11.5%減
2025年、中国の木材輸入量(原木積算)は6555.1万立方メートルで前年比11.5%減、輸入額は112.2億米ドルで前年比13.9%減となった。このうち、原木輸入量は3138.4万立方メートルで前年比13.1%減、輸入額は48.2億米ドルで前年比21.8%減となった。製材輸入量は2406.1万立方メートルで前年比10.0%減、輸入額は64.0億米ドルで前年比6.7%減となった。
原文はこちら(中国語)
https://www.chinatimber.org/news/detail.html?id=85918
●2026.1.26 木材網:パプアニューギニアが丸太の輸出を全面禁止へ
パプアニューギニア林業局は1月19日、今年中に丸太輸出の全面禁止を推進し、開発の重点を林業の下流加工業へ転換すると発表した。この措置は同局の2026年度改革計画の中核をなし、1991年「森林法」の改正を通じて禁止令の法的根拠を整備し、森林資源の持続可能な管理と高付加価値利用を促進することを目的としている。改革案には組織体制の最適化や管理階層の簡素化なども含まれ、より効率的な森林管理機構の構築を目指す。
原文はこちら(中国語)
https://www.chinatimber.org/news/detail.html?id=85912
●2026.1.22 淘木網:2025年の中国の丸太及び製材は輸入量・輸入額ともに減少
税関総署の統計によると、2025年の中国の原木・製材輸入市場は顕著に縮小し、年間輸入量は過去10年で最低を記録。輸入数量と金額が同時に減少し、業界の輸入構造は段階的な調整期に入った。
輸入数量:年間ベースでは輸入量の圧迫傾向が顕著で、1~12月累計輸入量は5544.5万立方メートルと10年ぶりに6,000万立方メートルを割り込み、年間減少率は11.8%減となり、前年比700万立方メートル以上減少した。
輸入金額:年間輸入総額は112億1,720万米ドルで、前年比13.9%減となり、金額の下落幅が数量を上回った。これは輸入木材の総合コスト変動傾向を反映しており、数量・金額のダブル減少は輸入市場の縮小傾向をさらに裏付けている。
今回の輸入規模の大幅な縮小は、国内需要側の変化を映し出すと同時に、木材サプライチェーンの動的調整にも影響を与え、上流・下流の貿易・加工企業の経営戦略に連鎖的な影響を及ぼすだろう。
原文はこちら(中国語)
https://www.chinatimber.org/news/detail.html?id=85902
●2026.1.16 木材網:2025年のベトナムの木材輸出額が170億ドルを突破
ベトナム税関の統計によると、2025年のベトナムの木材の年間輸出総額は172億ドルに達し、2024年比で約6%増加した。これはベトナム木材業界の輸出額が初めて170億ドルの大台を突破したことになる。
主要市場は依然として米国であり、2025年までに、ベトナムの米国向け木材・木製品輸出額は94億6,000万ドルに達し、2024年比4.4%増、業界全体の輸出総額の約55%を占めると予測される。
米国以外では、2025年までにベトナムの日本向け木材・木製品輸出が23%以上急増し、21億5,300万ドルに達すると予測されている。これにより初めて20億ドルの大台を突破し、中国を抜いてベトナム木材業界の第二の市場となる見込みだ。また、2025年の対中輸出は3位に順位を落とすものの、20億8,600万ドルと微増が見込まれ、2年連続で20億ドルの大台を突破する見通しだ。2025年までに、米国・日本・中国の三大「10億ドル規模」市場がベトナムの木材・木製品輸出総額の約80%を占める見込みである。
その他の市場規模は比較的小さく、例えば韓国は7億900万ドル、カナダは2億8,800万ドル、英国は2億4,400万ドルである。
農業・環境省の予測によると、2025年の木材・林産物輸出額は185億ドルに達し、2024年比約6.6%増となる見込みで、貿易黒字は約149億ドルに達する見通しだ。
原文はこちら(中国語)
https://www.chinatimber.org/news/detail.html?id=85876
●2026.1.12 木材網:ロシアが木材輸出関税引き上げ措置を延長
ロシア内閣報道局によると、ロシアは針葉樹・広葉樹・製材品の輸出関税措置を2028年12月31日まで延長した。ロシア政府は、この決定により木材輸出制限が維持され、国内生産者への原材料供給が確保されると強調した。
2022年以降、関連木材の輸出税率は以下の通り引き上げられている:
・針葉樹材:輸出税率10%(ただし立方メートル当たり最低13ユーロ)
・オーク材:輸出税率10%(ただし立方メートル当たり最低15ユーロ)
・ブナ材・トネリコ材:輸出税率10%(ただし立方メートル当たり最低50ユーロ)
原文はこちら(中国語)
https://www.chinatimber.org/news/detail.html?id=85854
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆2/19 第91回フェアウッド研究部会「沈香の悲劇 ~失われつつある熱帯雨林の宝石」
https://fairwood.jp/event/260219/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
沈香は東南アジアからインドにかけての熱帯雨林から産出される林産物です。ジンチョウゲ科ジンコウ属(Aquilaria)などの樹木には、稀にその幹の一部に樹脂が沈着凝集します。その樹脂は熱帯雨林の「宝石」と呼ばれます。沈香は交易品として長い歴史を有し、その香りは古来より珍重されてきました。
野生の沈香が残っている場所の一つが、東マレーシア、サラワク州のバラム河上流部です。そこは先住民族プナン人が世代を超えて守り、持続的に利用してきた森林と土地で、彼らはピースパーク(平和公園)と呼んでいます。東南アジア最大規模の熱帯原生林の保護を目指す「ハートオブボルネオ」の一部でもあります。
2016年に同地域のプナン人とサラワク州政府の間でピースパークについて話し合いの場が持たれ、次いで横浜に本部を置く国際熱帯木材機関(ITTO)がその支援を表明しました。そして、2023年9月には同地域の熱帯林保全と地域の持続可能な開発のためのITTOプロジェクトが始まり、日本政府も資金を拠出してきました。
しかし、まもなくしてサラワク州政府の判断によりプロジェクトの一部は突如中止されました。さらに深刻なのは、州政府はプロジェクト対象地域で新たに伐採権を企業に与え、現在伐採が進んでいるのです。これまでコンクリート型枠用合板やフローリング用合板の多くをサラワク州から輸入してきた日本の市場にピースパークの木材が流入している可能性もあります。守られるはずだった熱帯原生林と、先住民の暮らしをも支えてきた宝物が、今まさに失われようとしています。
今回のフェアウッド研究部会では、長年にわたりプナン人とともに「沈香」を研究してきた信州大学の金沢謙太郎教授を招き、熱帯林減少の最前線で何が起きているのか、現地の視点からお話しいただきます。
熱帯林問題や先住民問題に興味をお持ちの方、自然資本やTNFD等、熱帯木材のサプライチェーン等にご関心のある方など、是非、ご参加ください。
【開催概要】
日時:2026年2月19日(木)18:00~19:30(開場:会場は15分前、オンラインは5分前)
場所:ハイブリッド(zoom×地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)東京都渋谷区神宮前 5-53-70 国連大学ビル 1F)
参加費:一般1,500円、学生無料(いずれも懇親会費別)
定員:会場30名、オンライン90名
※懇親会は会場参加者のみご参加いただけます。当日の受付の際にお申込み・お支払いを承ります。
※会議URL:お申込みいただいた方に後日ご案内いたします。
※お申込みいただいた方には、当日の録画アーカイブを後日(開催後1週間程度をめどに)、期間限定でご覧いただくことが可能です。
【プログラム】(敬称略、内容は予告なく変更することがあります)
第1部:講演(18:00~19:30 質疑含む)
講師:金沢 謙太郎/信州大学 学術研究院(総合人間科学系)全学教育センター 教授
第2部:懇親会(会場参加者の希望者のみ、別会場にて開催予定)
【講師プロフィール】(敬称略)
金沢 謙太郎(かなざわ けんたろう)/信州大学 学術研究院(総合人間科学系)全学教育センター 教授
神戸女学院大学准教授を経て、2008年に信州大学に着任、同大山岳科学研究拠点を併任。専門は環境社会学・環境人類学。
熱帯地域を中心に、住民の資源利用の変化と地域を取り巻く政治経済との関係を研究。主な研究テーマは、北インドのチプコ運動、東マレーシアの狩猟採集民(プナン人)の資源利用、香木の持続的利用。主要著作として、『熱帯雨林のポリティカル・エコロジー』(昭和堂,2012年),「環境社会学の視点からみる世界史―先住者の生活戦略から探る持続可能な社会」(『岩波講座 世界歴史1 世界史とは何か』,2021年) 「熱帯材と日本人―足下に熱帯雨林を踏み続けて」(『環境社会学講座1:なぜ公害は続くのか』新泉社,2023年)
【お申込み】
お申し込みフォーム(https://fw260219.peatix.com)よりお申し込みください。
フォームがご利用できない場合、「第91回フェアウッド研究部会参加希望」と件名に明記の上、1)お名前、2)ふりがな、3)ご所属(組織名及び部署名等)、4)Eメールアドレス、5)参加方法(会場またはオンライン)、6)(会場参加の場合)懇親会の出欠を、メールにてinfo@fairwood.jp まで送付ください。
【主催】
国際環境 NGO FoE Japan、地球・人間環境フォーラム、佐藤岳利事務所
【後援】
マルホン
【助成】
緑と水の森林ファンド
【問い合わせ】
FoE Japan(担当:佐々木)
http://www.foejapan.org、info@foejapan.org、TEL:03-6909-5983
地球・人間環境フォーラム(担当:坂本)
http://www.fairwood.jp、info@fairwood.jp
※テレワーク推進中のため、メールにてお問合せお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆フェアウッド・マガジン 世界のニュース登録方法を追加しました
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
フェアウッド・パートナーズが、毎月、無料で配信している「フェアウッド・マガジン 世界のニュース」の登録・削除方法を追加しました。
これまでは、外部のメールマガジン配信サービス「まぐまぐ」のみとなっていましたが、フェアウッド・パートナーズからのダイレクト配信システムを加えました。いずれも無料ですので、以下からお好みの方法で登録してください。
https://fairwood.jp/mailmagagine/16/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・みなさんの知人、友人、ご家族の方にもこのメールマガジンをお知らせしてください。メールマガジンの登録、バックナンバーはこちらです。
https://fairwood.jp/worldnews/
・本メールマガジンの記事について、無断転載はご遠慮ください。
ただし、転載許可の表記のある場合を除きます。
・本メールマガジンに関するご意見・ご感想などは下記のEmailにお寄せくだ
さい。お待ちしております。e-mail: info@fairwood.jp
発 行 : フェアウッド・パートナーズ http://www.fairwood.jp
編 集 : 坂本 有希/三柴 淳一
━━━━━━━━━━━━━━━━━