グヌンキドゥルのコミュニティ林訪問レポート3
テラスによる「三方良し」の解決法とは
今回フェアウッド・パートナーズは、家具製造を営む有限会社テラスと、インドネシアの持続可能な木材の生産地を訪れた。
同社によるブランド「イスタナテラス」のテーブルやチェアは、「長く使う」というそのコンセプトから、優れたデザインはもちろんのこと、屋外用家具として特に耐久性に富む樹種、チークを使用している。
以前より同社はインドネシアからチークを調達していたが、今回の訪イは、より環境負荷の少ないチークを求めるためだ。
そして上記のようなグヌンキドゥル材の現状を見た同社 代表取締役 大山氏は言う。「チークは家具にとって非常に良い木材です。しかし、製材・加工の方法が間違っていれば、価値が下がるどころか、まったく売れなくなってしまいます。つまり価値はゼロになってしまうのです。」
大山氏は森林認証を得た原木がこの様に取り扱われている事を知り、村の人たちにある案を提示した。先に同社が原木で森林認証材を買い取り、製品化し日本でのグヌンキドゥル材のプロモーションや販売を行う間、この先製品化まで村で実施できるよう、製材・加工技術のトレーニング実施などを行うというものだ。
現地の加工技術の未熟さにより品質が落ちてしまう問題は、このトレーニングで将来の地域の木材加工産業の土台を作ることが可能となるだろう。
現在日本市場で流通している「出所不明」の熱帯材は、生産地で深刻な社会問題や環境問題を引き起こしている可能性がある。
今後テラス、地域住民、地元の環境保護団体、そしてわたしたちフェアウッド・パートナーズは相互に協力し、より森林環境、地域社会にやさしいコミュニティ材の日本市場への普及を目指すことを約束し、今回の視察を終えることとなった。
(フェアウッド・パートナーズ 能勢)