ファニチャーブランド「イスタナテラス」
コミュニティ材調達調査レポート(前編)2
2010.5.1
価値を見出されない森林認証
グヌンキドゥル県は上に書いた通り岩石の多い山岳地帯であり、もともと水源が豊富にある地域ではない。
地元の環境保護団体は、「水が少ない→水を買うため貧しくなる→森林資源を切り売りする→山の保水力が失われる→水が少なくなる」という悪循環を断ち切るため、●●●年からこの地域において森林の保水力を説き、森林資源の適切な管理・利用を推進してきた。そして2004年にはそれが森林認証の取得という形で実ることとなる。今では水源も復活してきており、村の住民も森林の重要性を認識しているという。
「水源涵養林としての役割を持つ村の森林を持続可能的に利用するため、森林認証(LEI)による付加価値を頼りとしましたが、森林認証があるからという理由で木材を求めるバイヤーは滅多に来ません。」
●●村の村長、▼▼氏はそう語る。近隣の住民たちにとって、森林は管理するだけではただコストが嵩むだけであり、破壊しないよう利用していくのが理想的だ。しかし本来「森林を破壊しない」事で付加価値が認められるべき森林認証は、大量植樹&大量伐採でコストパフォーマンスを上げたプランテーション産の木材の価格に太刀打ちできず、他の安い木材と同じ値段で買い叩かれている。これでは森林管理を維持できない。