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2025.5.15 Mongabay:ボルネオのプロジェクトは、森林とアブラヤシが共存できることを証明しようとしている

サバで活動するNGOのHutan(ウータン)と、フランス農業開発研究国際協力センター(CIRAD)そしてマレーシア・プトラ大学が共同で運営している研究プロジェクト「TRAILS」は、マレーシアのボルネオ島で、パーム油の収穫量を大幅に減らすことなく、在来種の樹木をアブラヤシ農園に植えることができるかどうか、実験を行っている。
ウータンは、10年前には既にメランキン・アブラヤシ農園(MOPP)と協力し、川沿いの緩衝地帯に沿って1キロメートルの野生生物回廊の森林再生に取り組んでいた。このパートナーシップにより、MOPPはアグロフォレストリーを実施することに同意、キナバタンガンにある8,000ヘクタールの農園内の区画39ヘクタールで、実験が行われている。
プロジェクトに参加しているCIRADの研究者によると、実験はまだ初期段階だが、これまでのところ、アブラヤシの生育に悪影響はないことが分かっている。
TRAILSはまた、アブラヤシの植栽密度を減らした場合に何が起こるかについても実験している。話を聞いた栽培業者たちによると、光が当たる量が増えれば、アブラヤシはより多くの果実をつけるので、植栽密度が高い場合と比べて、生産量に大きな違いはないだろうと言う。アグロフォレストリーを導入しなくても、アブラヤシの密度を下げることで、必要な化学肥料の投入量を減らすというメリットがある。
TRAILSプロジェクトに最も影響を与えた研究の一つは、ドイツのゲッティンゲン大学がインドネシアのスマトラ島を拠点に実施した試験であった。この研究では、成熟したアブラヤシの間に在来樹種の樹木島を形成することで、収量を低下させることなく生物多様性と生態系機能が向上するという結論が出された。
原文はこちら(英語)
Borneo project hopes to prove that forests and oil palms can coexist