アマゾン川の支流をボートで5時間ほど遡った奥地に、先住民ムンドゥルク族の集落がある。8歳のアレックスくんは成長とともに障がいが明らかになってきた。父アオド・カロさん「物をつかめず、ひとりで食べることも座ることもできません、少ししか話すことができません。(医師の診療でも)どこに問題があるのか、答えが出ないのです」。異変が起きているのは彼だけではない。州立病院ジェニングス医師は「最も懸念しているのが、脳の異常とともに生まれてくる子どもです。この地域では多くの子どもがこのような症状を持っています」「地域全体で100人以上が神経系の異常で亡くなっています、そのほとんどが子どもでした」という。国立の研究機関による検査は、アレックスくんの毛髪から検出されたのは国際基準を大きく上回る高濃度の「水銀」だとしている。「水銀は母親の胎盤を通して胎児の脳に異常を引き起こします。先住民地域には、歩けない子どもや脳性麻痺の子どももいます。水銀中毒によるものと考えられ、体系的に研究することが必要です」(ジェニングス医師)
記者は「あちらに停泊している船が金の違法採掘船です。作業の過程で水銀を大量に使用すると指摘されています」と報告している。拡大を続ける金の違法採掘で使われる水銀が川に流入し、汚染された魚を食べることで健康被害が起きているのではと指摘されている。
「水銀は使ってはいるが、外部に流さない仕組みにしている」(金の違法採掘業者)。これに対し、ムンドゥルク族首長は「金の採掘業者が言っていることは事実ではない。川に捨てられる水銀の量も増えています。先住民族は自分たちの健康をとても心配しています」と訴えている。
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