Mongabay:森林の回復は人間の手助けがある方がよりうまくいく(研究)
2002年、3人の研究者らが、マレーシア・サバ州のマルア森林保護区内で択伐された500ヘクタールにおいて、低地の熱帯雨林の回復での樹木の多様性の役割について調べるため、実験を開始した。研究者らは500ヘクタールを124の同じサイズのブロックに分割し、そのうちのいくつかは自然に任せて放置され、他のブロックには1種類の樹種を植え、ほかに4種類の樹種、16種の樹種を植栽したブロックも設定した。
実験から21年が経過し、実験の結果が、Science Advancesに掲載された。その結果報告によると、伐採された森林の回復の速度は、人の手も加えることで高まることが示されている。
研究者らはまた、多様な苗木を植えることにより、10年でバイオマスと森林の複雑さが増大すことも発見した。
研究の筆頭著者、オックスフォード大学のライアン・ヴェリヤード氏によると、植林されていないブロックには、林床にとげのある低木や低層植生が多く、自然再生が困難だが、植林されたブロックでは、この種の植生ははるかに少なく、特に16種の樹種が植えられたブロックでは顕著で、自然に任せたブロックよりも熱帯林によく似ているという。
ヴェリヤード氏は、より多様な森林ブロックがなぜ、より高いバイオマスと複雑性をもたらすのかについて、科学者たちはまだ議論しているところだと述べた。しかし、彼は、多様な樹木が光と水を求めて互いに競合するだけでなく、異なるニッチをターゲットにすることで、それらの共存と繁栄が可能になるという理論を挙げている。
しかし、この研究で使用された樹木(主に東南アジアに生育するフタバガキ科の熱帯広葉樹種)の特定のライフサイクルが、この場合特に多様性を高めた可能性がある。
原文はこちら(英語)
https://onl.sc/j3PT795