JETRO:食品生産に係る森林減少ゼロへの英国の動き(前編)
欧州では近年、森林減少につながる農産品の市場への投入を規制する制度が整備されつつある。
本稿では、森林減少につながる可能性を持つ農産品に対する英国政府の制度の制定過程とその内容について、同様の制度を制定しているEUとの比較も交えながら紹介する。
食品生産活動は、その生産から廃棄に至るまで、土地利用あるいは温室効果ガス(GHG)排出などのかたちで地球環境に影響を与えている。世界自然保護基金(WWF)英国資料(2022年発表)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(7.3MB)によると、地球上の全ての居住可能な土地の50%、地球上のアクセス可能な水の70%が農業に使用されており、地球の生物多様性の60%は食料生産の過程で損失し、さらに、人為的なGHGの30%は食料生産によって排出されている。
それにもかかわらず、世界で生産された食品の約33~40%が喪失あるいは廃棄されていると推定される。生産された食品が廃棄などされると、栽培、収穫、輸送、加工、その準備に関連するGHG排出量に加え、処分に係るGHG排出量が追加される。約700万人が食料貧困状態、または不安定な生活を送っている英国では、農場から食卓までの食品廃棄物を減らすことは、食料生産を増やすために自然へのさらなる影響を拡大せずに、食料の入手可能性を改善する上で重要だと言える。
詳しくはこちら
JETRO 地域・分析レポート「食品生産に係る森林減少ゼロへの英国の動き」
(前編)政府による規制 2023年12月19日
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2023/da08e2e1fdea6c0a.html
(後編)植物性食品開発 2024年1月26日
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2024/b89886fc6deec5e5.html