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EURACTIV:EUの再生可能エネルギー指令は森林バイオマスの状況を変えるか?

3月30日、EU理事会、欧州議会、欧州委員会の間で再生可能エネルギー指令の改正案(以下、RED3)に関する暫定合意に達した。
RED3では、バイオマスの熱と電力の持続可能性基準が強化されているが、短期的には限られた改善にしかつながらない可能性があると、グローバル経営コンサルタント会社ガイドハウスのジェマ・トゥープ氏とミシェル・コペル氏は主張している。RED3は「Fit for 55」パッケージの一部であり、EUの法律を2030年の温室効果ガス排出削減目標に沿ったものにしていく。
バイオマスは現在、電力、熱、輸送部門全体でEUの再エネの約60%を占め、2030年に再エネの割合を42.5%にするという目標を達成するには、バイオマスが必要なことは明らかである。森林バイオマスの持続可能性基準に合意することは、RED3の交渉担当者にとって大きな障害だった。最終的合意文書は、森林バイオマスをエネルギーのために利用することを禁止していないが、持続可能性要件を強化する以下
の重要な更新が含まれている。(1)バイオマスのカスケード原則の実施、(2)持続可能性基準の強化、(3)電力のみの設置は許可されない、の3点だが、これらの実施は大幅な例外によって制限される可能性がある。
(1)カスケード原則についてはRED2で言及されているが、RED3にはより具体的な詳細が提供されている。(2)森林バイオマスの持続可能性基準は、森林のプランテーション転換をしないこと、大規模伐採の最小化、根や切り株を使用しないこと、原生林または原生林を劣化させないことなど、持続可能な伐採と見なす内容を広く捉えている。
これらは概して温暖化対策のレベルを高めるが、適用除外があり、実施を損なう可能性がある。例えば2020年に既稼働の熱・電力生産設備は、2030年までGHG削減の最低限の要件を免除され、グローバルに生産された幅広い原料を使用できる可能性がある。さらに、RED2移行前に加盟国が設備に補助を与えていた場合、加盟国は2030年末まで、RED3ほど厳しくはないRED2基準に基づくバイオマス燃料からのエネルギーを再エネ目標にカウントできる。
原文はこちら(英語)
https://bit.ly/3B1YlBO