
第84回フェアウッド研究部会「枯木が山のにぎわい~森の生態系を支える枯木と菌類」
2025.3.7 掲載
森林の生態系は、世界全体で8610億トンもの炭素を貯留し、毎年24億トンの炭素を吸収していると見積もられています。森林が貯める炭素のうち、42%は生きた樹木に、44%は土壌にあります。枯木(かれき)が貯留するのは約8%ですが、土壌中に蓄えられている膨大な量の炭素の少なくとも半分は、分解された枯木の残渣に由来します。つまり、枯木の分解は森林が蓄える炭素量に大きく影響します。
枯木を分解する主要な生物である菌類は、種類によって枯木の成分の分解比率が異なり、これによって枯木の質に多様性が生まれます。枯木の質は、炭素貯留量と、枯木に生息する生物の多様性にも影響します。枯木は分解に数十年から数百年という時間がかかるので、バクテリアから樹木まで多様な生物の生息場所となり、森林の生物多様性に重要な役割を果たしています。
例えば、枯木を食べて成長するクワガタムシの幼虫は、菌類による分解に応じて生息できる枯木が決まっていますし、倒木上で次世代の樹木が生育する「倒木更新」のプロセスでも、菌類による分解に応じて適した倒木が決まります。巨大な枯木の存在は森林の自然度の指標にもなります。
今回の講演では、森林や木材に関心があっても、普段あまり注目することのない枯木と菌類が森林生態系に果たす役割について、東北大学の教員で『枯木ワンダーランド』の著者である深澤遊さんからご紹介いただきます。
【開催概要】
日時:2025年3月28日(金)18:00~19:30(開場:会場は15分前、オンラインは5分前)
場所:ハイブリッド(zoom×地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)東京都渋谷区神宮前 5-53-70 国連大学ビル 1F)
参加費: 1,500円(懇親会費別)
定員:会場25名、オンライン90名
※懇親会は会場参加者のみご参加いただけます。当日の受付の際にお申込み・お支払いを承ります。
※会議URL:お申込みいただいた方に後日ご案内いたします。
※お申込みいただいた方で希望のある場合は、当日の録画アーカイブを後日、期間限定でご覧いただくことが可能です。
【プログラム】(敬称略、内容は予告なく変更することがあります)
第1部:講演(18:00~19:30 質疑含む)
講師:深澤 遊(ふかざわ・ゆう)/東北大学大学院農学研究科准教授
第2部:懇親会(会場参加者の希望者のみ、別会場にて開催予定)
【講師プロフィール】(敬称略)
深澤 遊(ふかざわ・ゆう)/東北大学大学院農学研究科准教授
1979年、山梨県生まれ。信州大学農学部卒業、京都大学大学院農学研究科修了。博士(農学)。日本学術振興会特別研究員(京都大学)、森林組合職員(和歌山県)、財団法人トトロのふるさと財団職員(埼玉県)を経て、現職。
東北の森に住みつつ、枯木を訪ねて世界中の森をめぐる。
著書に『枯木ワンダーランド』(築地書館)、『キノコとカビの生態学』(共立出版)など。
登山、サイクリング、生き物のスケッチ、ジェンベ演奏などが好き。
【お申込み】
お申し込みフォーム(https://fw250328.peatix.com)よりお申し込みください。
フォームがご利用できない場合、「第84回フェアウッド研究部会参加希望」と件名に明記の上、1)お名前、2)ふりがな、3)ご所属(組織名及び部署名等)、4)Eメールアドレス、5)参加方法(会場またはオンライン)、6)(会場参加の場合)懇親会の出欠を、メールにてinfo@fairwood.jp まで送付ください。
【主催】
国際環境 NGO FoE Japan、地球・人間環境フォーラム、佐藤岳利事務所
【後援】
ワイス・ワイス
【助成】
緑と水の森林ファンド
【問い合わせ】
FoE Japan(担当:佐々木)
http://www.foejapan.org、info@foejapan.org
地球・人間環境フォーラム(担当:坂本)
http://www.fairwood.jp、info@fairwood.jp
※テレワーク推進中のため、メールにてお問合せお願いします。