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フェアウッド・マガジン 世界のニュース 第233号  2024年1月9日

能登半島地震でお亡くなりになった方にお悔やみ申し上げるとともに、被災された皆様には一日も早く安定した日常が戻ることをお祈り申し上げます。
年始から大災害と大規模な航空事故と心穏やかではいられませんが、グラスゴー森林宣言の2030年までに森林減少を食い止め、逆転させるという目標が、COP文書に盛り込まれ、ブラジルではアマゾンの森林減少が昨年の半分に抑えられるなど、良いニュースも散見されます。
一方で、国連環境計画(UNEP)とNGOの報告書「自然のためのファイナンス状況(第3版)」では、2022年の自然を軸としたソリューション(NbS)へのファイナンス総額(2千億ドル)の30倍以上の資金が「自然を直接害する事業」へ流れ、結果的に自然状況は大幅に悪化したとあります。
お金の流れを劇的に変えない限り、私たちの暮らしを支えてくれる地球環境を維持することは難しくなりつつあるようです。
今年もフェアウッドをよろしくお願いします。
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【森林保全・再生】
●2023.12.22 Mongabay:インドネシア、自然を擁護した稀有な政策立案者、クントロ・マンクスブロトを偲ぶ
尊敬すべきインドネシアの政策立案者で環境保護活動家のクントロ・マンクスブロト氏が今月、逝去した。彼は自然を愛し、先見の明のある政策指導者であり、数十年にわたり、環境保護活動家や先住民族の権利活動家と、開発重視の政府との間の架け橋を築いた。
クントロ氏は2004年に発生したインド洋津波後にアチェ復興庁(BRR)長官に、2009年には大統領開発管理調整ワーキングユニット(UKP4)の責任者に任命された。
アチェ復興のために尽力し環境の持続性に取り組んだことで、彼は世界的に知られるようになった。また、BRRの成功により、クントロ氏は、ノルウェーからインドネシアへの気候基金を管理するとの信頼を得た。彼は10億ドルの基金が本来の目的であるアチェ復興にのみ使われるようにするため、国家予算に組み込まれることのないよう主張した。
クントロ氏が地理空間情報庁から先住民族の土地の地図を受け取ったという歴史的な出来事は、インドネシアの、先住民族の土地への認識において画期的な事柄であった。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2023/12/kuntoro-mangkusubroto-indonesia-environmentalist-indigenous-rights-obituary/

●2023.12.19 The Guardian:バイデン政権が2025年に米国オールドグロス林の伐採禁止令を計画
バイデン政権は12月19日、オールドグロス林の伐採を禁止するあらたな提案について発表した。この提案は、2022年のアースデーに大統領が署名した大統領令に基づくものである。大統領令後に農務省森林局が管理する連邦有林(1億4400万エーカー)について調査を実施したところ、その8割がオールドグロス林または壮齢林(オールドグロス林の直前の発達段階にある林、mature forests)であることが判明した。
なお、内務省土地管理局は、オールドグロス林を樹齢120年以上とみなしている。
2022年、バイデン氏が大統領令を発表する少し前に、130名以上の科学者のグループが、バイデン氏宛てにオールドグロス林の伐採禁止を求める書簡を送っていた。
この禁止令は2025年初めに効力を生じることになるが、大統領令であることから、24年の大統領選の結果次第で発効が決まる。
原文はこちら(英語)
https://www.theguardian.com/us-news/2023/dec/19/biden-forest-logging-ban-old-trees

●2023.12.11 Sustainable Japan:NGO5団体、政府・自治体主導のREDD+促進でJTAP発足。信頼回復なるか。COP28
国際環境NGO5団体は12月8日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の場で、政府や地方自治体主導の森林保全対策(REDD+)を技術支援するパートナーシップ「Jurisdictional REDD+ Technical Assistance Partnership(JTAP)」を発足した。
JTAPのメンバーは、ブラジル、コスタリカ、エクアドル、ガイアナ、ケニア、ベトナム、ザンビア等でのREDD+プログラムの設計と実施で、数十年にわたる実績がある。
一方、REDD+は過去1年、カーボンクレジット創出の算出手法が甘すぎ、REDD+のカーボンクレジットは大きな批判にさらされてきた。
同パートナーシップは、民間主導ではなく、政府・地方自治体主導のREDD+を推進していく考えだが、REDD+の信頼性回復につなげられるかが焦点となる。
詳しくはこちら(一部会員記事)
https://sustainablejapan.jp/2023/12/11/redd-cop28/97786

●2023.11.8 Record China:「竹でプラスチックを代替する」3カ年行動開始を宣言─中国
中国国家林業草原局と国際竹籐ネットワーク(INBAR)が11月7日に共同で主催した第1回「竹でプラスチックを代替する」国際シンポジウムで、中国は「竹でプラスチックを代替する」3カ年行動の開始を発表しました。
中国は2025年までに「竹でプラスチックを代替する」産業システムを基本的に構築し、製品の品質や種類、産業規模、利益をさらに向上させ、重点製品の市場シェアを顕著に引き上げます。2022年と比べ、プラスチックに代わる竹の主要製品の総合付加価値を20%以上高め、竹材の総合利用率を20ポイント引き上げる計画です。
詳しくはこちら
https://news.biglobe.ne.jp/international/1108/rec_231108_1698805768.html

【森林減少】
●2023.12.20 読売新聞:温暖化でアマゾンから水が消え、山火事が森を焼き尽くす…衛星画像がとらえた世界の異常気象
南米ブラジル・アマゾン川の流域では今年9~10月、大規模な干ばつに見舞われた。米海洋大気局(NOAA)などによると、支流のネグロ川の水位はアマゾナス州都マナウス付近で10月下旬、観測記録が公開されている1903年以降で最も低い12.7メートルを記録した。
ロイター通信によると、テフェ川では、平年よりも10度以上高い39度に達する日があった。干ばつで川の流量が減り、水が温まりやすくなったとみられる。
干ばつによって、人々の暮らしや生態系にも影響が出ている。水位が下がったことで輸送用の船の往来が難しくなり、食料や燃料の供給が滞った。
水環境の悪化から、感染症などの流行も懸念されている。米紙ニューヨーク・タイムズは、テフェ川で、ピンク色のイルカとして有名な「アマゾンカワイルカ」が少なくとも125頭が死んだと伝えた。魚の死骸も大量に見つかったという。
地球温暖化を背景にした山火事が世界全体で相次いでいる。カナダ政府によると、2023年の山火事による同国内の焼失面積は、過去最大の1800万ヘクタール超を記録した。
山火事による健康被害も懸念されている。豪州などの研究チームは、山火事が引き起こす大気汚染によって、世界で年間約3万3000人が亡くなっていると推計する。
国連環境計画の報告では、山火事が大規模化するリスクは30年までに14%、50年までに30%増加する。日本は湿潤な気候のためリスクは低いとされてきたが、日本大の串田圭司教授(地球環境学)は「温暖化が進んで極端な干ばつが起こるようになれば、日本でも山火事のリスクは高まる可能性がある」と警鐘を鳴らす。
詳しくはこちら
https://www.yomiuri.co.jp/science/20231219-OYT1T50144/

●2023.12.15 Mongabay:COP28は7年間で森林減少に歯止めをかけるとの目標を固めたが、資金はどこに?
ドバイで開催されたCOP28のグローバル・ストックテイク文書では、2030年までに森林減少を食い止め、逆転させる必要性が初めて強調され、その達成には「成果に基づくファイナンス」が必要と指摘された。しかし、その資金がいつ熱帯林諸国に入るのかいまだに不透明である。
2030年までに森林減少を食い止め、逆転させるという目標は、グラスゴーで開催されたCOP26で100か国以上が発表した森林宣言に盛り込まれていたが、この目標がCOPの文書自体に入ったのは今回が初めてである。
しかし、コンゴ民主共和国(DRC)は、コンゴ盆地の熱帯雨林を保護するために約束された5億ドルは一銭も支払われていないと述べている。COP26期間中、各国は森林破壊を終わらせるとの目標のために120億ドルを約束した。その一環として、米国、英国、ベゾス地球基金など十数の資金提供国/者は、コンゴ盆地の森林保護のために今後4年間で15億ドルを約束した。
DRCに対しては5年間で5億ドルが割り当てられたが、最初の約束から2年後、DRCそしてコンゴ共和国はいずれもこの資金を受け取っていないと述べた。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2023/12/cop28-cements-goal-to-halt-forest-loss-in-7-years-but-wheres-the-money/

●2023.12.15 JETRO:ルーラ大統領、COP28で2030年までのアマゾンなど森林破壊完全収束目標を発表(ブラジル)
ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は12月1日、国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の首脳級ハイレベル・セグメントで演説を行った。アマゾンの森林破壊は2023年1~10月の期間で、2022年比で約50%減少したことを強調、2030年までに森林破壊を完全に終わらせる目標を示した。
またブラジル政府は、先進国の支援で森林保全を行う1つの試みとして、COP28の会場で「トロピカル・フォレスト・フォーエバー」と呼ばれる国際熱帯雨林保護基金の提案を発表した。同基金は、先進国のソブリン・ウェルス・ファンドなどから資金を低金利で集め、環境を害することのない金融資産に投資される。その収益の一部はソブリン・ウェルス・ファンドなどに還元され、残存分が熱帯雨林をもつ国々に森林保護活動を実施するため提供される。基金の規模としては2500億ドルの調達ができると期待されている。
詳しくはこちら
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/12/e107103808b9823e.html

●2023.12.13 Sustainable Japan:UNEP等、「自然のためのファイナンス状況」第3版発行。自然破壊資金が世界7兆ドル
国連環境計画(UNEP)、国際環境NGOグローバル・キャノピー、土地劣化の経済学(ELD)の3者は12月9日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の場で、自然を軸としたソリューション(NbS)への世界のファイナンス状況を分析した報告書「自然のためのファイナンス状況」の第3版を発行した。
同報告書によると、2022年の自然を軸としたソリューション(NbS)へのファイナンス総額は約2,000億米ドル。一方、自然を直接害する事業への資金フローはその30倍以上の7兆米ドルあり、世界のGDPの約7%に相当する。結果的に、自然状況は大幅に悪化した。
気候変動、生物多様性の喪失、土地劣化という相互に関連する危機に対処する緊急性を強調した。
同報告書は、NbSへの資金フローを増やすだけでなく、自然破壊型の約7兆米ドルのファイナンスを劇的に削減することとが最も重要と伝えた。
詳しくはこちら(一部有料記事)
https://sustainablejapan.jp/2023/12/13/unep-state-of-finance-for-nature-2023/97839

●2023.12.12 Sustainable Japan:UNEP、代替プロテインで分析報告書。社会からの反発を踏まえ必要な施策を提示
国連環境計画(UNEP)は12月8日、代替プロテインへの転換に関する報告書を発表した。肉や乳製品から植物由来等の食品に代替することで、二酸化炭素排出量の他、自然(生物多様性)分野の土地劣化や森林破壊、水質・土壌汚染、生物多様性喪失、人畜共通感染症(動物媒介感染症)や薬剤耐性(AMR)のリスク低減、動物福祉の実現につながるとした。同報告書は、植物由来の代替肉、動物細胞からの培養肉、微生物による迅速な発酵によって得られるタンパク質が豊富な食品の3つを分析。
代替肉は家畜への害を減らし、公衆衛生の向上に貢献しうるが、その他の健康上の利点はまださほど明白にはなっていないとした。コスト、嗜好、社会的・文化的受容性は、代替プロテインの浸透に大きな影響を及ぼすとした。実際に、代替プロテインについて、消費者から反発される動きがあることも紹介した。
詳しくはこちら(一部有料記事)
https://sustainablejapan.jp/2023/12/12/unep-alternative-protein/97819

●2023.12.11 Earthsight:イギリス政府が森林破壊デューディリジェス規則発表も、残る懸念材料
12月9日、イギリス政府は長きにわたり期待されていた森林破壊規制の詳細について発表した。
この法律は、牛肉、皮革、ココア、パーム、大豆を対象とするが、年間売上が5000万ポンド以上の企業にのみ適用され、また、対象産品の使用が年間500トン未満の企業は対象外とすることから、その有効性が危ぶまれている。
この法律がいつ施行されるのかも未定である。
アースサイトが過去に行った分析によると、売上高5000万ポンド以上の企業に法律を適用するとしても、牛肉・皮革・大豆・パーム油のイギリス最大の輸入業者のうち数社が除外されることになる
また、適用対象の基準を設定すると、それを悪用する機会をもたらす。たとえば、その基準に達しないようにするため、複雑な関係の子会社を設立して規制を回避しようとする可能性がある。
原文はこちら(英語)
https://www.earthsight.org.uk/news/uk-due-diligence-legislation

【バイオマス燃料・バイオマス発電】
●2023.11.19 Mekong Eye:厄介なジレンマ:ベトナムのアカシア植林地はそれほど緑ではないかもしれない
ベトナムがアカシア植林を始めたことで、一部の小規模自作農世帯が貧困から抜け出せたが、その代償として環境や命が失われている
クアンナム、クアンガイ、ビンディンなどのベトナム中部の省は、現在、アカシア植林の中心地となっている。
これは、ベトナム政府が30年前に実施した大規模な植林プロジェクトの結果である。
このプログラムは、ベトナム戦争中に米軍が投下した爆弾や枯葉剤、戦後の伐採等で破壊された森林を回復することを目的としていたが、自然林の再生を支援するのではなく、新しいプランテーションの設立に重点を置いているとして批判されている。
オーストラリア産のアカシアが、1960年代にベトナム南部に導入され、現在ではベトナムは世界最大のアカシア栽培面積に覆われ、国内の440万ヘクタールの植林地の65~85%を占めている。
2000年代に政府がアカシアを貧困緩和のための戦略作物に分類したことで、さらに普及した。
ベトナム中部では、アカシア材の需要の高まりに伴い価格が上昇した。初期には紙や家具の原材料になっていたが、この10年間で木質ペレット向けに植林が行われるようになってきた。
日本も韓国もベトナムの木質ペレットの主要輸入国であり、両国ともバイオマスを炭素排出量「ネット・ゼロ」への道として注目している。
原文はこちら(英語)
https://www.mekongeye.com/2023/11/19/acacia-not-green/

●2023.11.19 Mekong Eye:ベトナムはアジアに「クリーン」エネルギーを供給するために天然林を皆伐している
化石燃料に代わるグリーンエネルギーとされる木質ペレットの世界的需要により、ベトナム中部で森林伐採が拡大している。
ベトナムは、バイオマスエネルギー生産の増加を通じて温室効果ガス排出ネットゼロの達成を目指す日本と韓国に、木質ペレットを供給している。
しかし、これらのペレットの出所には疑問があり、なかには森林破壊に関連している場合さえある。
ベトナム中部のクアンナム省やビンディン省では、アカシア植林が行われ、伐採されたアカシア材は木質ペレットに加工される。
2019年から現在まで、ベトナムのペレット輸出の総量と総額のほぼ100%を日本と韓国が占めている。
アカシアはベトナムの木質ペレット生産部門で主要な地位を占めている。しかし、2020年までにベトナムで植林されたアカシアの総面積235万ヘクタールのうち、森林管理協議会(FSC)の認証を取得したのはわずか15%であった。
原文はこちら(英語)
https://www.mekongeye.com/2023/11/19/vietnam-pellets-energy/

●2023.11.16 Canada's National Observer:木を燃やすことはクリーンエネルギーの選択肢ではない:気候擁護団体
毎年恒例の国連気候変動会議を目前に控え、環境保護団体は、森林バイオマスを燃やして発電することを支援する補助金の廃止を求めている。
ジョナサン・ウィルキンソン天然資源エネルギー相とスティーブン・ギルボー環境相に宛てた公開書簡の中で、各団体は、バイオマス産業への財政支援は、生物多様性に害を与える補助金を段階的に廃止するという連邦政府の公約と相反するものだと述べている。
27の署名者は、「単に化石燃料を燃やすことから、燃料として森林を燃やすことにシフトする」のではなく、「方針を転換し、真の気候変動解決策を選択する」よう政府に求めている。
各団体は、森林からの輸出用の木質ペレット製造を禁止し、公共事業規模の木質ペレット産業への補助金をすべて廃止することを望んでいる。
その代わりに、この資金を先住民の土地利用、スチュワードシップ、修復プロジェクト、「風力発電や太陽光発電などの真の気候変動対策」に振り向けるよう求めている。
また政府に対し、公益事業規模で輸出されるバイオマスをカーボンニュートラルとみなす炭素会計の「抜け穴」をふさぐよう、「国際的な舞台で提唱」するよう求めている。
原文はこちら(英語)
https://www.nationalobserver.com/2023/11/16/news/burning-trees-not-clean-energy-option-climate-advocates

●2023.11.13 EURACTIV:英国政府、二酸化炭素回収により木材燃焼を「マイナス排出」としてカウントしたとして提訴される
環境保護団体は11月13日、バイオマス発電とCO2回収貯留を組み合わせた技術であるBECCSに、数十億ドルを投じる計画をめぐって英国政府を提訴している。
「BECCSがマイナス排出をもたらすという政府の論理的根拠は、英国が署名しているパリ協定の基礎となっている国際的な炭素会計プロトコルに違反している」と、提訴したライフスケープら環境団体2団体は声明で述べた。
実際、国連の会計規則では、木材の伐採は大気中に二酸化炭素を加える炭素源とみなされ、排出量の二重計算を避けるためにエネルギー部門ではゼロとして扱われている。したがって、バイオマスを燃やす際に排出量を再度カウントすることは、数学上の間違いか炭素計算上のトリックのどちらかである、と原告の一人は述べている。
原文はこちら(英語)
https://www.euractiv.com/section/climate-environment/news/uk-sued-for-counting-wood-burning-with-carbon-capture-as-negative-emissions/

●2023.9.15 Bloomberg:英・会計監査院が、政府のバイオマス政策に関する調査を開始
英国会計検査院(NAO)は、燃料源の監視を強めており、政府バイオマス戦略を調査していく。
NAOは、英国のネットゼロ目標に対する戦略と燃料の貢献に関する報告書を作成、これまでの支援策についても調査する。
英国で最も多くバイオマスを消費している電力会社、ドラックスグループの株価は、10.2%下落し、2022年10月以来最低水準となった。エネルギー規制当局のOfgemも、バイオマスの持続可能性に関するドラックスの報告を調査している。
英国政府のバイオマスへの資金供給モデルは、その補助金メカニズムに抜け穴があることを、ブルームバーグニュースの調査が先月報じていた。
ドラックス社のイングランド北部の発電所で、ユニット間での発電のシフトが行われていたが、これによりドラックス社は差金決済契約を通じて消費者への数億ポンドの支払いを回避していた。
原文はこちら(英語)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-09-15/uk-s-audit-office-announces-probe-of-government-biomass-policy

【パーム油問題】
●2023.12.7 Mongabay:先住民族グループ、パーム油会社による希少なパプアの森の開発を裁判所が認めたことを強く非難
インドネシア・南パプア州の先住民アウユ族の人々は、先祖代々の土地にある原生林2万6326ヘクタールを伐採するというパーム油会社、PTインド・アシアナ・レスタリ(IAL。マレーシアのホールアジアグループ傘下)の計画に事実上ゴーサインを出した裁判所の決定を激しく非難した。
IALの3万9190ヘクタールのコンセッションは、タナメラプロジェクトの一部であり、このプロジェクトが全面的に開発されれば、地球上で3番目に広い熱帯雨林28万ヘクタールが、複数の企業が運営する連続したアブラヤシ農園に置き換えられることになる
アウユ族は、IALの操業により影響を受けることになるにもかかわらず、彼らは許可証発行プロセスに参加しておらず、これは、許可証発行のプロセスに先住民を参加させるよう政府に義務付けた2021年パプア特別自治法に違反するものだと主張していた。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2023/12/indigenous-groups-rebuke-court-ok-for-palm-oil-company-to-raze-papua-forests/

【コミュニティ】
●2023.12.13 Mongabay:COP28の「成功」により、訴訟が気候対策の重要な手段になるか
過去30年間、国連は気候サミットを支援してきたが、このプロセスは、炭素排出量の大幅な削減や、化石燃料の段階的廃止への法的拘束力のある道筋を提供できていない。化石燃料利権の影響を大きく受けた今回のCOP28サミットは、「化石燃料からの脱却(transition away)」という画期的な約束をしたものの、この取り決めもまた、自主的なものである。
現在、政府に化石燃料の規制や現行法の施行をさせるため、訴訟が利用されるケースが増えている。
世界の気候関連訴訟を支援するNGO、クライエントアースのクラーク氏によると、排出量の削減、掘削の中止、あるいは気候の影響に対して最も脆弱な先住民族や伝統的部族への補償を求めて、数千件の気候関連訴訟が進行中である、という。
これは、先進国が規制に失敗した、あるいは規制が不十分であったことの表れであるとも言っている。
訴訟は増えているが、訴訟が気候対策の救世主になると考えるのは誤解を与えかねない、とコロンビア大学教授ジェラード氏は述べている。訴訟プロセスには時間がかかり、急速に進む温暖化を食い止めるまでに大きな成果が得られる可能性は低い。
たとえ気候訴訟に勝ったとしても、政府や企業が司法判断に従うという保証はないのである。
原文はこちら(英語)
https://news.mongabay.com/2023/12/cop28-breaktrhough-elevates-litigation-as-vital-route-to-climate-action/

【日本は今!】
●2023.12.20 大東建託ウェブサイト:カナダに2×4用木材安定調達のための現地法人を設立
大東建託株式会社は、2023年9月、2×4用木材を安定調達するための新会社「大東カナダトレーディング株式会社(本社:カナダ、ブリティッシュコロンビア州バンクーバー市)」を設立します。
豊富な森林資源を持つカナダ、ブリティッシュコロンビア州の最大都市、バンクーバーに設立された新会社は、現地製材所との連携などを通じ、安定的かつ適正価格での木材調達をすることを目的としています。
当社は、2030年までに持続可能な木材調達比100%を目指しており、海外木材調達を担う新会社の設立により、当社の事業安定性向上を図っていきます。
詳しくはこちら
https://x.gd/kXg3A
https://www.kentaku.co.jp/corporate/pr/info/2023/release_canada_20231220.html?fbclid=IwAR3gwF0R_OoY4kVPYLnoVUnm1-aLNCiAGZgATKNQmaRPCORgqBxrc-pJSv4

●2023.12.19 日本農業新聞:株式会社トビムシが休眠預金1億5700万円を活用する資金分配団体に採択。
林業六次産業化による森林活用を実現する企業・団体を支援。2024年2月9日まで実行団体を募集中
株式会社トビムシは、一般財団法人日本民間公益活動連携気候(JANPIA)が公募する「2023年度 通常枠<第1回>休眠預金等活用法に基づく資金分配団体」に選ばれました。
株式会社トビムシは資金分配団体として、六次産業化の起点・基点となる一次産業の担い手育成、林業技術の習得支援、経営相談等のフォローを実施します。二次産業については、木製品の高付加価値化やバイオマスエネルギー対応等、木材の質的・量的出口の創造において、加工等設備選定や協力企業の誘致、邦や自治体への政策的働きかけに取組みます。更に、本事業を通じた地域のユニークな取り組みや働き方、自然教育や地域人材育成などの実例を周知伝播することで、三次産業の進展及び六次産業化を支援し地域の活力を生み出します。
詳しくはこちら
https://www.agrinews.co.jp/news/prtimes/203805

●2023.12.6 産経新聞:森林面積9割超の「スギの町」から全国発信 年間800人が参加する「山人塾」の中身
林業を志す人や里山に住みたい人、樹木や植物について知りたい人らに向けた「塾」が、杉の産地として知られる鳥取県智頭(ちづ)町にある。平成28年に開設され、鳥取大学元教授の男性が塾長を務める。学術的な講座やキャンプ、チェーンソーなどの野外体験、森の散策などを企画し、多い年には年間約800人もの受講生が全国から参加している。塾長は「智頭を山や樹木、林業についてすべてが分かる『ホットスポット』にする」と情熱を燃やしている。
詳しくはこちら
https://www.sankei.com/article/20231206-XS4N255DFBL6VN32TXP7DHSWXA/

【中国情報】
●2023.12.14 木頭雲:中国のベトナム材の輸入量は大幅増
2013年以降、中国の「一帯一路」沿線国との林産品取引は増加し続けており、貿易額は2013年の460億ドルから2022年には780億ドルまで70%増加した。
中国が輸入する木製品の97%は「一帯一路」沿線国からであり、木材及び木材製品については約50%を占めている。
ベトナムは中国にとってアセアン最大の貿易パートナーとして、また中国の「一帯一路」の連携国として、双方の全面的な戦略協力パートナー関係は2023年に15周年を迎えたが、中越双方の貿易協力は各分野においてさらに密接になっている。 中越の貿易額は2年連続2,000億ドルを突破し、2023年1月から10月まではすでに1800億ドルを超えている。
さらに、木材貿易も2023年は大きく進展した。2019年から2023年までの1-10月の中国のベトナム木材の輸入量は10.46万立方メートル、2019年から2022年までは5.63万立方メートルだったが、2023年の1-10月の10ヵ月間は一転して増加し、総量は123.59%増の13.16万立方メートルに達した。
しかし、中国との木材貿易が進展しても、ベトナム木材業界にとっては、世界経済の停滞や高いインフレ率に伴う厳しい通貨政策等により、ベトナムの主要ターゲット市場の木材・木製品に対する需要は減少しており、輸出業者や木材企業は多くの困難に直面している
しかし、中越の経済協力熱は依然増しており、「一帯一路」連携国として、両国は今後さらに、「一帯一路」沿線国との木材貿易協力の強化に貢献することが期待される。
原文はこちら(中国語)
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1785064469688324455&wfr=spider&for=pc

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☆第77回フェアウッド研究部会
「林業の未来を考える(1)“×(クロス)林業”で作り出す未来とは?」
https://fairwood.jp/event/240131/
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令和4年木材統計(農水省)によると国産材の素材供給量は2208万m3で、直近の5年間では令和2年を除き、ほぼ同じ水準で推移しています。
今回は、その素材供給量の4%に相当する100万m3の素材生産量を2050年達成目標に掲げ、未来を見据えた革新的な経営に乗り出した宮城県の老舗企業、宮城十條林産(株)の山林部課長・経営企画室長の梶原領太さんを講師にお迎えします。
“×(クロス)林業”という表現で同社のミッションを「林業を通して様々な社会課題を解決し、新しい価値を創造する」と再定義し、新たな方向性や可能性を見出している経営方針や、「2050年100万m3」という高い目標に対する意気込みも含め、同社が展望する「林業の未来」についてお話をいただきます。
【開催概要】
日時:2024年1月31日(水)18:00~20:00(開場:会場は15分前、オンラインは5分前)
場所:ハイブリッド(zoom×地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)東京都渋谷区神宮前 5-53-70 国連大学ビル 1F)
参加費: 1,000円(懇親会費別)
定員:会場25名、オンライン90名
※懇親会は会場参加者のみご参加いただけます。懇親会会費については、当日の受付の際にお支払いを承ります。
※会議URL:お申込みいただいた方に後日ご案内いたします。
※お申込みいただいた方で希望のある場合は、当日の録画アーカイブを後日、期間限定でご覧いただくことが可能です。

【プログラム】(敬称略、内容は予告なく変更することがあります
第1部:講演(18:00~19:30 質疑含む)
講師:梶原 領太/宮城十條林産 山林部課長・経営企画室長

第2部:懇親会(会場参加者の希望者のみ、別会場にて開催予定)

詳しくはこちら
https://fairwood.jp/event/240131/

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☆フェアウッド・パートナーズウェブサイトをリニューアルしました!
https://fairwood.jp/
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国際環境NGO FoE Japanと地球・人間環境フォーラムが運営するフェアウッド・パートナーズのウェブサイトがリニューアルし、見やすくなりました。
ぜひ、ご覧ください。https://fairwood.jp/
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☆動画「ホント?ウソ? バイオマスはカーボンニュートラル?」を公開!
https://www.youtube.com/watch?v=3zsA48bGmUQ
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国際環境NGO FoE Japanでは、バイオマス発電を問う動画を作成しました。
バイオマス発電は、カーボンニュートラルと言われますが、本当でしょうか?森林は、樹木、地上に落ちた枝や葉、土の中にたくさんの炭素を蓄えています。特に、長い年月をかけて形成された天然林や、湿地や泥炭地に生えている森林は、地上部だけではなくて、地下にも大量の炭素を蓄えているのです。伐採して森林がなくなってしまうと、蓄えられていた炭素は、やがてCO2の形で空気中に排出さ
れます。森林が元通りになれば、伐採のあと、放出されたCO2は、森林が回復する過程で吸収され、再び固定されます。しかし、それまでの間、大気中のCO2は伐採された森林の分だけ「増えている」状態が続いているのです。
森林がもとの状態に戻るとは限りません。この場合、森林に蓄えられた炭素は、CO2として大気中に放出されたままです。こうした状況をわかりやすい6分ほどの動画にまとめました。ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=3zsA48bGmUQ
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☆パーム油のワークショップ教材ができました!
「パーム油のはなし」2/『知る・考える・やってみる!熱帯林とわたしたち』
https://plantation-watch.org/palmtextbook/
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地球・人間環境フォーラムもメンバーであるプランテーション・ウォッチと、開発教育協会(DEAR)が共同でワークショップ教材を制作しました。
シンプルで使いやすい10の授業案(アクティビティ)と専門家による11つのコラムを収録しています。今年の新聞記事を使いながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と熱帯林のつながりを考える授業案も収録しています。
森林減少、生物多様性、気候変動、そして、消費に焦点を当て、「持続可能な社会」と「アクション(行動)」を学ぶことができます。知って、考えて、動き出す。世界にはパーム油以外にもたくさんの問題がありますが、私たちが動くこと
で状況を変えていけるはず!
概要
・編集・発行:開発教育協会、プランテーション・ウォッチ
・2020年7月、A4版48ページ
・ダウンロード資料:写真9枚(A4カラー)
・一般価格:本体¥2,000+税(図書館価格¥4,000+税
・対象:小学校高学年以上

▼お問合せ・ご購入申込
認定NPO法人 開発教育協会(DEAR)
Tel: 03-5844-3630 Fax: 03-3818-5940
〒112-0002 東京都文京区小石川2-17-41TCC2号館3階
http://www.dear.or.jp/books/book01/5190/
※本体価格のほか送料・手数料がかかります(1冊の場合税込550円~)
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フェアウッドカフェ ショッピングサイト
https://www.fairwood.jp/cafe/
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森や作り手の見える木製品がみつかるフェアウッドカフェのショッピングサイトが新しくなりました。
リニューアルに伴い、お買い物の際、カード決済、銀行振り込み、コンビニ決済がお選びいただけるようになりました。
何の木なのか、どこで育った木なのか、誰の手で生まれ変わったのか、ひとつひとつ物語や想いのつまった商品をご紹介していきます。フェアウッドカフェは、使ってくださるあなたや、あなたの大切な人にフェアウッドな暮らしを提案します。
ぜひご利用ください。
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☆フェアウッド・パートナーズのWEBサイト
「クリーンウッド法に対応する木材DDのための実践情報」
https://www.fairwood.jp/consultation/howto_dd.html
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2017年5月20日施行された「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(通称「クリーンウッド法」)」に対応するのに望ましい木材DD(デューデリジェンス)を行うための実践的な情報をお届けします。
※更新情報:
国別リスク情報「3.ルーマニア」に「その2」を追加しました。

■合法性確認とデューデリジェンス
■合法性確認のための木材DDのステップ
■国別リスク情報
問合せ 「木の流れから、未来をつくる」フェアウッド・パートナーズ
Eメール:info@fairwood.jp
国際環境NGO FoE Japan(三柴、佐々木、TEL:03-6909-5983)
地球・人間環境フォーラム(坂本、飯沼、TEL:03-5825-9735)

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☆パーム油について知るためのWEBサイト紹介
『あぶない油の話』パーム油のことを知るサイト
http://plantation-watch.org/abunaiabura/

「パーム油調達ガイド」
http://palmoilguide.info
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プランテーション・ウォッチでは、パーム油の消費者向けと企業向けのウェブサイトを立ち上げています。
一般消費者向けには、『あぶない油の話』パーム油のことを知るサイトを通じて、パーム油が身の回りの多くの食品に多く含まれていること、そのパーム油の生産のためのプランテーション 開発が引き起こしている環境問題や社会問題について伝え、情報を発信しています。
パーム油を調達している企業向けには、パーム油の調達リスクに対処し、サプライチェーン管理を実践するための情報や手順をまとめた情報提供サイト「パーム油調達ガイド(http://palmoilguide.info)」があります。
是非、サイトをご覧いただき、ご活用ください。
『あぶない油の話』パーム油のことを知るサイト
http://plantation-watch.org/abunaiabura/
「パーム油調達ガイド」
http://palmoilguide.info

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☆森林と私たちの暮らしのつながりについて学ぶ教材
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世界の森林問題について学んでもらうための映像教材をフェアウッド・パートナーズが関わり作成しています。
社内や地域での環境・森林をテーマとした勉強会等の企画に活用ください!
■映像資料
「人と木」(無料)
http://www.gef.or.jp/activity/forest/hitotoki/
「木の来た道」(定価3,000円/図書館価格:12,000円)(税別・送付料込)
http://www.fairwood.jp/news/pr_ev/2009/pr090623_publish_woew.html
「森の慟哭」(詳細下記参照)
http://www.foejapan.org/forest/palm/dvd_01.html

■お問合せ
FoE Japan(三柴) Tel: 03-6909-5983
地球・人間環境フォーラム(坂本) Tel: 03-5825-9735
E-mail: info@fairwood.org

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発 行 : フェアウッド・パートナーズ http://www.fairwood.jp
編 集 : 坂本 有希/三柴 淳一
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