事例 その4 - 有限会社テラス、すわ製作所
コミュニティ林から国際市場へ、日本とインドネシアつなぐ里山材家具
のどかなグヌンキドゥルの農村風景 |
一方、民有林では近年、住民自身が森林を保全しつつ利用する森林経営「コミュニティ林業」が実施され、注目されています。コミュニティ林業は、木材利用についても自分たちで計画を立てて管理・運営することで、住民の森林保全に対する意識を高める効果があるといわれています。
農耕不適地の岩がちな土壌に育つチーク |
しかし国内には認証材の市場がなく、国外の市場開拓もできていなかったため、認証材としての付加価値がつかないまま安価で販売されており、そのままでは持続可能な森林管理を続けることが難しい状況に直面していました。
トレーサビリティもきちんと確保 |
フェアウッドパートナーズでは、日本のガーデン家具メーカー「テラス」と現地NGO「アルパ(ARuPA)」とともに、村人が持続可能な森林管理を続ける仕組みづくりを目的に、グヌンキドゥルの森林からの認証材を活用した家具を作製し、日本の市場で販売するプロジェクトを2008年から開始しました。
貯木場で丸太の質と長さ・太さをチェック |
持続可能な森林管理へ、経済面での自立を支援
プロジェクトの特徴は、持続可能な森林管理・保全を行おうとしている地元住民に、経済面での自立を促すための支援をする点です。また、産出木材に現地で付加価値をつけた製品を、テラスが海外市場である日本へ送り出すという、マーケティングを織り込んだ点も特徴です。
プロジェクト関係者 |
これまで木材を輸入しながら、生産地や生産者の情報はほとんど最終消費者に届くことはありませんでした。熱帯林をはじめとする森林が減少していることは知っていても、持続可能な管理が行われている森林から産出された木材や家具を選ぶための情報は限られているのが現状でした。
このプロジェクトで製作された家具は、森林の管理状況や村人とのつながりも価値の一つとして取り込んだものです。それが森を持続可能な形で利用する、生産者と消費者の新しい関係をつくると考えています。