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事例 その1 - 積水ハウス 株式会社

積水ハウスの木材調達方針
積水ハウスは、2007年4月に木材調達方針「持続可能性を支える10の調達指針」を策定しています。持続可能な木材利用を可能にするため、環境に配慮し、社会的に公正なフェアウッド調達に取り組んでいます。

着実に進むフェアウッド調達
この調達方針では、合法性に加えて、生物多様性や伐採地の住民の暮らしまで考えた幅広い視野を持った10の指針を設け、調達指針ごとの評価点の合計で木材をS、A、B、Cの4つの調達ランクに分類、評価が低いCランク木材を減らし、Sランク木材を増やす方向で、フェアウッド調達を進めています。

積水ハウスの「持続可能性を支える10 の調達指針」
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違法伐採の可能性が低い地域から産出された木材
貴重な生態系が形成されている地域以外から産出された木材
地域の生態系を大きく破壊する、天然林の大伐採が行われている地域以外から産出された木材
絶滅が危惧されている樹種以外の木材
消費地との距離がより近い地域から産出された木材
木材に関する紛争や対立がある地域以外から産出された木材
森林の回復速度を超えない計画的な伐採が行われている地域から産出された木材
国産木材
自然生態系の保全や創出につながるような方法により植林された木材
木廃材を原料とした木質建材

2007年度の調達実績では、木材調達総量37.4万m3のうち、SランクとAランクを合わせた量は6割弱まで高まり、着実に調達レベルを上げています。

なぜフェアウッド調達に取り組むのか?
「私たち住宅メーカーは、事業に不可欠な木材について何をよりどころに調達すればよいのか。しかもそれが社会から評価されるものになっているか。それが持続可能な社会をつくるという方向に沿った調達になっているか。そういう視点で木材を自分たちで判断できるかどうか。それが当社の木材調達の重要なポイントです」と語るのは、同社環境推進部部長の佐々木正顕さん。

さらに、来年の10月(2010年10月)に名古屋で開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を控え、企業にとって本業の中でどうやって生物多様性保全に取り組むかという課題は、気候変動と並んで大きなテーマになっています。同社のフェアウッド調達への取り組みはまさに住宅メーカーの本業における生物多様性保全の取り組みと評価できるものです。

「EU(欧州連合)ではすでに厳しい基準で木材の囲い込みが進んでいます。木材調達については早く手をつけた方が勝者になれると私たちは考えているのです」と語る佐々木さん。「他社と差異化して存続するための経営戦略の一つ」と位置付けられるフェアウッド調達は、CSR調達の一つともいえるのです。

フェアウッド・パートナーズから一言
フェアウッド促進を共に

フェアウッドとの関係が始まったのは、2006年2月に大阪で開催したフェアウッド建築セミナー2005に参加いただいた時にさかのぼります。それ以来、2007年の調達方針の策定とその後の運用に取り組む同社に対して、「フェアウッド・パートナーズ」は協力をさせていただいています。

フェアウッドでは、積水ハウスの着実なガイドラインの運用を評価すると同時に、社内だけでなくサプライヤーへの働きかけなどを通じて住宅業界全体への波及力にも業界リーダーの力を感じています。今後の課題には、国産材や森林認証材の利用にもチャレンジし、フェアウッド調達のステップをもう一段高めることが考えられます。さらにエンドユーザーと接点をもつメーカーである同社に、フェアウッドのコンセプトの普及を期待するとともに、フェアウッドも一緒に取り組んでいきたいと考えています。

受賞実績:
2009年9月、環境省と財団法人イオン環境財団が創設した「第1回 生物多様性 日本アワード」において、「木材調達ガイドライン」 10の指針が、利用プロダクト部門で“優秀賞”を受賞。

2009 年10月に発表されたグリーン購入ネットワーク主催の「第11 回グリーン購入大賞」において、「木材調達に関する取り組み」 で“優秀賞”を受賞しました。


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