フェアウッド・ストーリーズの第1回目は、静岡県伊豆の国市で工房Rokumokuを営む渦輪倫子さんを紹介します。彼女が木を使ったものづくりに込める思いは、森林を壊さない木材を広めようというフェアウッドカフェと通じるものがあります。
「そこにある木を使ってものづくりをしたい」という気持ちから、2007年に工房Rokumoku(ロクモク)をスタートした渦輪さん。いろいろな大きさや形のスプーンやフォーク、箸置き、ブローチやキーホルダーなど毎日の暮らしで使う小物をつくる工房を、両親と3人で営んでいます。
工房の名前「ロクモク」は、「木・林・森」にある6つの木を意味しています。木を素材にモノづくりを始めた渦輪さんは、修行時代に通った森林ボランティアで森や山を思う人たちの思いに触れ、土に根をおろす生きている木と接することで、木を生き物ととらえるようになったそうです。そこで、自らがつくったスプーンを使ってもらうお客さんに、木の由来である森にも思いを寄せてもらえたらという思いでものづくりに取り組んでいます。
渦輪さんは、スプーンをつくるために材料を仕入れるのではなく、みかんやきんもくせいなど、捨てられてしまう果樹や庭木などを「そこにある木」と呼んで、スプーンやフォークをつくっています。工房がある静岡には、みかん農園がたくさんあり、植え替えのタイミングで出てくるみかんの木や、近くの神社で切られてしまった木を、渦輪さんは譲ってもらっています。近頃では、渦輪さんのことが周囲の方に知られて、木をもらってくれないかと声をかけてもらうことも多くなっているとのことです。
キメの細かいツルツルの肌に透明感のある温かい黄色に目を奪われるみかんのスプーンは、静岡のみかん農園からやってきます
渦輪さんが以前、樫の木を譲ってもらった神社
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工房の地下にある倉庫には、乾燥のために小割にされた材料が山ほど並んでいます
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スプーンが削りだされていく途中の姿
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工房に併設されている店舗は、渦輪さんのテイストにつつまれます
渦輪さんのインタビューでは、ご自身の言葉でものづくりを通じた木への思いを語っていただきました。
ぜひご覧ください。
Fairwood Stories: 001 『工房Rokumoku – Rinko Uzuwa 渦輪倫子』